近年、働き方の多様化により、言語聴覚士(ST)をはじめとしたリハビリ職でも副業を行う人が増えてきています。この記事を読んでいる方の中にも興味を持っている方は多いのではないでしょうか。
副業を行う理由や目的は、自身のスキルを高めたい、給与に不満がある、他の分野にもチャレンジしてみたいなど人によって様々です。
そこで今回は、リハビリ職におすすめな副業についてご紹介します。副業をするにあたって確認しておきたいメリットや注意点についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.言語聴覚士(ST)におすすめの副業
STが選びやすい副業には、自身のスキルアップを兼ねて行う内容のものや、空き時間を利用して気軽に始められるようなものなど様々な副業があります。自身のニーズに合わせて、選んでみましょう。
STとしてのスキルを高める副業
STとしてのスキルアップを目的として副業を選ぶのであれば、仕事内容に関連した内容の副業を選びましょう。
①空き時間を利用した他施設でのアルバイト
副業の中でも一番臨床に即しているのは、他施設でのアルバイトです。他施設の普段とは異なった環境下でリハビリを行うことで、言語療法に関するスキルアップが狙えます。
病院で働いている方が、副業の施設に介護施設や発達支援系の施設を選ぶなど、少し変化をつけるとSTとして求められる治療スキルの違いや、病院での急性期・回復期など治療を主としたリハビリだけでなく維持期を主としたリハビリ、発達を促進するための関わりなどを経験できます。
②地域の健康教室などの講師アルバイト
時折、県士会や施設の主催で地域住民の方を対象とした健康教室や体操教室が開催されることがあります。日当として得られる額は大きくないですが、1対1で行う治療を目的としたリハビリとは違う雰囲気での言語療法から得た経験を臨床に活かせます。
症状や訓練の方法を一般の方にもわかるように説明したり、参加者に楽しんでもらえるよう場の雰囲気を盛り上げるなどの工夫が必要となるので、聞き取りやすい話し方やリラックスした空気感の作り方を学ぶことができます。
別のスキルを手にする副業
STの仕事と関係のない職種や自身の興味のある仕事で、これまでとは異なったスキルを手に入れられることも副業のメリットの一つです。STだけでは経験できないことも多くありますので、うまく副業で取り入れることもおすすめです。
①ウェブライター
スキルアップを見込める副業の中で、一番初心者向けな副業がライティング系です。ライティング内容も商品レポートや旅行レポートといったブログのようなものから、専門性の高い内容の記事まで、スキルアップの幅も広いです。
休日や夜間など空いた時間を活用して進めることができるので、本業とのスケジュール調整もしやすい副業です。
②動画クリエイター
最近、増えているのが動画クリエイターの副業です。動画編集は現在スキルがないという方でも、動画編集ソフトを活用することで作成できる場合も多く、初心者を受け入れてくれる企業もあります。
内容としては企業側からどのように編集して欲しいかの指示があるため、指示に沿って編集を行います。初心者の方は、動画の文字入れ加工や短い動画の編集などから始めると、基本的な操作も覚えやすいのでおすすめです。
効率の良い副業
隙間時間や自分の得意な分野を活かして効率良く稼ぐことができるのも副業の利点です。自身のペースに合わせて上手に副業を行うことで、少ない負担で収入の増加が見込めます。
①自分の趣味や特技を活かした副業
趣味や特技を生かした副業なら、楽しみながら収入UPを狙うことができます。
例えば、写真撮影が得意な方は、空き時間を利用した出張カメラマンや風景などの写真データを販売することで収入に繋がります。
他にもハンドメイドでアクセサリーや布小物の販売、イラスト作成など幅広い分野で活躍することができ、最近は趣味特技を活かしたい人向けの登録サイトも増えてきていますのでおすすめです。
②PC、スマホを活用した副業
一番手軽に始められるのが、PCやスマホを活用した副業です。アンケートの回答や商品の口コミ投稿、データ入力などでポイントを貯めて換金したり、自身のSNSで商品を宣伝して収益を得ます。
また、フリマサイトやオークションサイトで、自分の身の回りでいらなくなったものや価値があると思うものを安く仕入れて販売する方法もあります。商品撮影や発送などの手間はかかりますが、部屋の片づけと並行して行うことができます。
2.言語聴覚士(ST)が副業するメリット
副業を行うメリットとしては、収入の増加や、スキルアップ、株などの資産運用に比べてリスクが少ない、転職や企業の前段階として準備や練習になるなどが挙げられます。
中でもSTとして副業を行う大きなメリットはスキルアップです。STの治療に関する副業を行えば今後の臨床に活かしていくこともできますし、一見STとは無関係に見える職種の副業でも、視点や捉え方を変えてみれば、臨床に活かすことができる場合もあります。
例えば、2章で挙げたウェブライターはSTとは関係のない仕事ですが、ライティングで得た知識は患者様との会話に広がりを持たせてくれたり、論文を書く際の文章力になります。動画クリエイターも同様に勉強会や学会発表の際の資料作成に役立てることができます。
職種の異なる副業で気分転換をしながら収入を増やし、STとしてもスキルアップを狙えるため、副業をすることはSTにとって大きなメリットがあると言えます。
3.副業する際の注意点
副業をする際には本業に支障が出ないようにするために、注意すべき点があります。
1つ目はスケジュールの調整です。副業は本業が休みの日など空いている時間を利用して行うことが基本です。そのため、副業を行うことで休息の時間やプライベートの時間は減ることになります。
本業の仕事量や自身の体力を考えたうえで、副業を検討しないと本業の業務進捗や自分自身の健康に悪影響が出てしまう可能性もありますので、副業の内容や仕事量は慎重に考えなければいけません。
2つ目は年末調整や源泉徴収など収入や税金に関する書類の処理です。副業を行うことで収入が増えるというメリットがある一方、所得税の負担が増えます。また、副業の収入が年間20万円以上になる場合には確定申告が必要になります。
これらを怠ってしまうと、体調を崩したり、課徴金など余計な支出が増えてしまい本末転倒になるので注意が必要です。
4.副業は本業の許可を得てから
副業の中には簡単に始めることが出来るものも多くありますが、始める前に「本業の施設や会社から許可を得て行う」ということが重要です。職場によっては副業を禁止している場合もあり、就業規則を破ると何かしらの罰則を受ける可能性もあります。
秘密にしておけば職場には見つからないだろうと事前の相談なしに副業を始めたとしても、
副収入による住民税の額の変化や社会保険の変化、年末調整の給与所得者の基礎控除申告書、疲労による本業への支障、スケジューリングミスなど、何かしらの原因で職場に見つかってしまいます。
あとからトラブルにならないためにも、事前に職場から許可を得てから副業を始めるようにしましょう。
5.まとめ
今回は言語聴覚士(ST)におすすめの副業についてご紹介しました。副業はプライベート時間の減少や確定申告を行わなければならないなどのデメリットがある一方、幅広いスキルアップ、収入増加、気分転換などの多くのメリットがあります。
自身の負担になりすぎないよう仕事内容や量を調整し、本業と副業のバランスを取りながら、副業にチャレンジしてみましょう。
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