後悔しない転職のために有効な手法の一つである自己分析ですが、思うように進まない・大変そうでやる気がでないという方も多いのではないでしょうか。
実際、このステップを飛ばして転職活動に取り組む方も少なくありませんが、やり方さえ知っていればそれほど時間をかけることなく、簡単に進めることができます。
そこで今回は、自己分析の方法について詳しくご紹介していきます。
多くは一般的なものと変わりませんが、専門職である言語聴覚士(ST)ならではのポイントもありますので、一緒に見ていきましょう。
目次
1.言語聴覚士(ST)の自己分析のポイント
STの自己分析は、これまで経験したリハビリに加え、印象に残っている患者さんやリハビリについて掘り下げることが大切です。
どういった症例に対して実績があるのかはもちろん、あなた自身の強みや魅力を伝えるためには、印象に残っているリハビリを言語化し、その時の気持ちや取り組んだこと変化について説明できるようになっておく必要があります。
こうして聞くと難しく感じてしまうかもしれませんが、たった3ステップでできますので、次の章から詳しく見ていきましょう!
ステップ1.リハビリ経験を羅列
ステップ2.思い出深い経験を掘り下げる
ステップ3.分かりやすく整理する
2.まずはこれまでの経験を羅列する
「自分ができること」と考えてしまうと大変に思えますが、入職してから順に記憶を辿っていくと、比較的簡単にピックアップしていけるかと思います。
洗い出しを行う際は、訓練内容が同じものは省略して大丈夫ですが、記憶に強く残っているものは、なぜ思い出深いのか?を一言コメント程度に残していきます。
例えば、初めて主担当して一緒にリハビリした患者さんや、試行錯誤して取り組んだリハビリ、思うようにできなくて悔しい思い出など、記憶に残っている内容を一言くらいで整理していきましょう。
3.次に思い出深い仕事を深堀する
先ほどコメントしたことを、理由/経験/影響という3つの視点で整理していきます。
具体例を交えながら、一つ一つ解説していきます。
コメントを充実させる
まずは、コメントの内容を具体的にしていきましょう。
例えば、「初めて先輩の手を離れた」とコメントしていた場合、「自分で考えたプログラムに沿って患者さんとリハビリに取り組み、日に日に成果が表れ二人で笑顔になれた。患者さんの力になれて本当に嬉しかった。」のように、イメージしやすい言葉にしていきます。
転職のための自己分析というと、自分をよく見せなくてはいけないと考える方も多いですが、ここでは素直な気持ちを書いていきます。
少し脱線しますが、よく見せようとすると満足のいく転職につながらないことが多いので、あまりおすすめはしません。(誤解されないように表現に気を付けることは大切です。)
手にしたスキルや経験
次に、この経験で得たスキルや気づきなどをピックアップしていきます。
同期や先輩、後輩など、周りの言語聴覚士(ST)と比べてしまうと、恥ずかしくても何もないという謙虚さが強く出てしまう方もいますが、周りの人を気にすることはありません。
あなた自身がどのように成長したかを素直に書いていきましょう。先ほどの例をベースにすると、次のようなイメージになります。
「これまでは先輩のサポートを受けながら、少しでも患者さんのためになるように必死にプログラムを考え発声・発語訓練をしてきたつもりだが、今思うと責任感が足りなかった。患者さんへの気持ちは変わらないが、一つ一つの仕事に対する確認の精度が高まった。」
自身の変化
それでは、この体験が自身に与えた影響をまとめていきます。
例えば、「本当の意味での専門家としての自覚が芽生えた経験に感じている。周りから見て日々の仕事が変わったかどうかは分からないが、リハビリに取り組むうえでの心構えが変わり、仕事に対する思いが強くなったように思える。」のような形です。
対応できる患者さんの幅が広がった、新しい訓練に取り組んだなど、目に見えた成長は環境が変わらない限りなかなか増えていかないかもしれませんが、あくまで自身を主体とする経験や影響であれば、様々な変化を体験しているはずです。
同じ要領で、コメントを入れた経験を深堀りしていってください。
4.最後に転職用に整理する
今まで取り組んできたリハビリと、印象に残っている仕事の深堀が終わりましたら、転職活動で使いやすいように整えていきます。
ここで整理した情報は、事業所を選び、履歴書/職歴書を書き、面接で答える内容まで、転職期間中はずっと利用できますので、自分がもっとも分かりやすいと思う形で整理しておけば大丈夫です。
ただ、「どうやってまとめよう・・・」という場合は、次のように5つに分解することをおすすめします。印象に残っているものは、時期や症例別に並べておきましょう。
①経験したリハビリ
- カードを用いた言語訓練
- 口の体操による言語訓練
- ・・・
②経験した患者さんと症状
- 回復期/脳卒中/30代男性
- 回復期/小児科/10歳未満女の子
- ・・・
③働いていて嬉しいこと
- 初めて挨拶の声を聴けた
- 患者さんと絆が深まっていくこと
- ・・・
④働いていて苦手なこと
- 連携がうまくいかなことがある
- ・・・
⑤今後やっていきたい仕事
- 維持期で患者さんと長く付き合えるような事業所
5.自己分析が有効な理由
これまで自己分析の方法についてお伝えしてきましたが、改めて自己分析が必要な理由について見ていきましょう。
自己分析をすることは、言語聴覚士(ST)としての自分を客観的に知れるだけでなく、今の仕事に魅力を感じている点について再認識することができます。
これが次の転職先を選ぶ指針になり、入社後のギャップを少なくする手助けになります。また、客観的に自分の経歴を整理することで自身の魅力を伝えられるようになり、書類や面接対策にもつながるのです。
6.まとめ
いかがでしたでしょうか。
有効な理由の章でもお伝えした通り、自己分析は転職に成功するために欠かせないステップと言っても過言ではない、重要な準備です。
今回ご紹介した、次の3つの手順に沿って行けば、想像以上に簡単に進められますので、ぜひ挑戦してみてくださいね!
- .リハビリ経験を羅列
- .思い出深い経験を掘り下げる
- .分かりやすく整理する
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