就職先が決まり、いざこれから働き始めようと思っていても、やはり不安はつきものです。何を準備したらよいのか、どんなことに気を付けたらいいのかわからないことも多いのではないでしょうか。
言語聴覚士(ST)には、必需品と言ってよいほど、持っていると便利な道具がいくつかあります。必要な物品を準備し、いざ初出勤を迎えた際に困らないようにしたいですよね。
そこで今回は、STにとって欠かせない道具や気を付けるポイントなどをまとめました。参考にしていただけると幸いです。
1.言語聴覚士(ST)の必需品
STの必需品には、どのようなものがあるでしょうか。
ここではSTが携帯していることが多い物品について、表にまとめました。勤務先の病棟やリハビリ室にあらかじめ用意されていて借りることができるものもありますが、使用頻度が多いものは、自身で予め用意しておくと便利です。
聴診器 | 頸部聴診をして、嚥下状態を確認するために使用します。食物を飲み込む際に、頸部に聴診器をあて、嚥下音や嚥下前後の呼吸音を確認し、咽頭期の嚥下障害の有無や状態を評価していきます。 聴診器には様々な種類がありますが、安価なものだと音が不明瞭なこともあるので、しっかりと聴診できるものを購入するのがお勧めです。 小児用と成人用とありますが、成人分野で勤務する方でも、高齢者は小柄な方や円背の方も多いため、小児用の聴診器の方が頸部に当てやすく使用しやすいかもしれません。 |
ストップウォッチ | RSSTなどのスクリーニング検査で時間をはかる際や、発声持続時間をはかる際に使用することが多いです。 その他にも、SLTAを実施する際に各検査項目で使用したり、発話速度を評価するのにも使用します。訓練中に、課題にかかる所要時間をはかって、患者様にフィードバックすることもできます。 |
ペンライト | 発語器官を評価する時に使用します。 口腔内は暗く、特に奥の方や喉などは見えにくいので、しっかりと状態を確認するために光で照らす必要があります。ペン類と一緒に携帯できるペンライトを一つ持っておくと便利です。 |
鼻息鏡 | 鼻漏出の有無を評価し、開鼻声の程度などを評価する際に使用していきます。 小型で携帯もしやすく、スクリーニングで使用することも多いので、一つ持っておくと便利です。 |
絵カード類 | 絵カードの呼称や、絵カードの指差しなどの課題で使用していきます。 病院で言語療法を行っているところでは、用意されていることがほとんどですが、ST一人職場の施設や、訪問リハビリなどでは十分に用意されていないことも多いため、一部用意しておくと便利です。 |
ホワイトボード | 患者様の中には、難聴があって筆談が必要な方や、言語障害により文字単語の指差しなどでないと意思伝達が出来ない方もいます。 そのようなコミュニケーションが音声言語のみではスムーズに行えない方と、コミュニケーションが取りやすいように持ち運びができるくらいの小さなサイズのホワイトボードがあると便利です。 |
ここからはSTに限った話ではないかもしれませんが、上記以外の必需品についても簡単にご紹介しておきます。
・ハンカチ
・ティッシュ
・ボールペン(赤・黒、三色)
・メモ帳
・腕時計
・室内履き・名刺入れ(訪問を行う場合など)
勤務先によって指定されている持ち物に加えて、これらのものも、あらかじめ用意しておくと、スムーズに仕事が行いやすくなります。
少し脱線しますが、同級生や先輩へのプレゼントであれば、ペンライトなどがおすすめです。また、聴診器は高価でなかなか買えないため、特別なプレゼントであれば大変喜ばれるとおもいます。
2.初出勤時に気を付けたいこと
初出勤は大変緊張もしているため、普段よりもミスもしやすく、うっかり・・・なんてことも起こりがちです。しかし、初出勤での印象は第一印象として周囲に認識されてしまうため、初出勤で失敗しないためにも、事前準備をしっかりしていきましょう。
出勤時間
初めての出勤のため、通勤にも慣れていなかったり、わからないことも多くあるため、慌ててしまって困らないように、普段より早めにつくように出勤すると良いでしょう。
時間的に余裕がもてると、精神的な余裕や安心に繋がります。
持ち物
指定された持ち物や、必要書類などは前日までに用意して、すぐに取り出せるように整理しておきましょう。
入社書類として、勤務先から新たに渡される書類も多いため、筆記具の他にクリアファイルや書類が入る大きさのバッグなどもあると良いです。時間をきちんと把握して意識するためにも、腕時計や小型の時計も用意しておくと良いです。
挨拶
第一印象で持ち物と同様に大切なのは、やはり挨拶です。
自己紹介なども求められることが多いので、緊張してしまう方は、予め何を言うか纏めておくと良いでしょう。
3.これから働き始める方へ
これから働き始める方は、不安に思うことも多いかと思います。今までの学生としての立場と、社会人としての立場だけでも大きく異なり、環境に慣れるまでは時間がかかります。初めて勤務する病院や施設などの勤務先自体についてもわからないことが多く、戸惑うことが多くあるかもしれません。
どんなに事前準備や下調べをしていても、失敗してしまうこともあります。しかし、失敗自体は悪いことではなく、誰もが経験していくものです。大事なのは、失敗をした時に、失敗を学びの場として活かせるかどうかです。
困ったことやわからないことは、その都度、上司や先輩、周囲の人に相談していきましょう。最初は周囲の人のフォローがしっかりとあるため、職場で学ばせてもらいながら、知識や技能、対人スキルや対応力などを身につけ、STとして一人前に活躍できるように努めていってください。あなたの活躍を待ち望んでいる人が大勢います。
4.まとめ
言語聴覚士(ST)として、新たに働き始める方が少しでも不安が軽減し、新しい職場でいきいきと活躍できるように、ここでは事前準備としてSTの必需品と、初出勤時に気を付けたいことについてまとめました。
事前準備をしっかりと行い、体調を整え、清々しい気持ちで初出勤の日を迎えられると良いですね。
ご不明点があれば、是非PTOT人材バンクのキャリアパートナーに遠慮なくご相談ください。
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