雇用形態は常勤、非常勤と大きく2つに分けられますが、必ずしも正社員と非正規になるというわけではありません。
また、雇用形態によって求められる働き方や福利厚生はことなります。
今回は、そんな言語聴覚士(ST)の雇用形態やそれぞれの働き方について紹介します。生活や働き方を考える際の参考になれば幸いです。
目次
1.言語聴覚士(ST)の雇用形態
STの働き方として常勤と非常勤があり、常勤が正社員・非常勤が非正規社員と区分されることが多いですが、「常勤」「非常勤」という言葉は、労働基準法および労働契約法では明確に定義されておらず、業界や事業所によって言葉の定義が異なります。
STの場合は労働時間に対して使われるイメージがあり、週5日8時間勤務のフルタイムは「常勤」。週3日8時間や週5日4時間勤務などフルタイムではない働き方を「非常勤」と呼ぶ割合が高い気がします。
ただ、求人票上は正社員を常勤と記載することも多いため、正社員かどうかは事前に確認することをおすすめします。
2.常勤の言語聴覚士(ST)
それでは、常勤のSTの働き方や待遇などについて解説していきます。各企業や法人によって異なりますが、「常勤=正社員」の契約として見ていきましょう。
常勤のSTに求められること
常勤のSTに求められることは、信頼できる仕事ができることです。常勤ですので自分の担当の患者様を受け持ち、いつもいるスタッフであるため、その職場の戦力になります。
他部門にも顔が知られ、状態の共有や様態の質問もされることが常なので、経験や実力をつけていくのが重要です。
労働時間では1日8時間のフルタイムになり、土日休みかシフト制かによりますが、1週間あたりの休みは1~2日です。
常勤で働くSTの年収や福利厚生
常勤STの場合、令和5年度の賃金構造基本統計調査によると、STの年収は約433万円となっています(残業代や交通費なども含めた額面)。これをさらに月給と賞与に分けると、月給は30万100円であり、賞与が71万4400円となります。
具体的な年収や給料、福利厚生は勤め先によって異なりますが、昇給制度や、各種社会保険があるのがほとんどです。
所によっては扶養手当、児童手当、退職金、託児所や寮がある場合もあります。長く一つ職場で働きたい場合は福利厚生の内容を確認して就職するのも手の一つです。
出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」一般労働者 職種 表番号 1「職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」
3.非常勤(パート)の言語聴覚士(ST)
次は非常勤(パート)勤務について紹介します。フルタイムではないものをまとめて非常勤という言い方をしますので、実際の勤務日数や時間などは個人個人で異なります。
パートのSTに求められること
非常勤ではなく常勤のSTに求められる役割は、社員スタッフとの連携と正確な書類業務だと思います。出勤日数が常勤と比べて少ないので、業務連絡や患者様の様子の共有する時間が少なく、話したくても申し送りする人が忙しくて伝えられない場面もしばしばです。
そのため、連携業務はしっかりと行い、書類関係は正確に記載することで伝達が漏れなく行うことができ、休みの日に問い合わせがくるなんて事態も防げるので、重要です。
また、パートで働く場合は、他にメインの収入源があって、そことは別にSTの副業で収入を得たい場合が多いように思います。
フルタイムで老健や訪問リハビリで働きながら、土日休みに別の会社で非常勤をするケース。子育て世代でパートナーの収入が中心だけれどもSTとして働けるのでパートタイムで働くケースなどをよく耳にします。
パートで働くSTの年収や福利厚生
パートで働く場合、就業日数や時間が人によって異なるため、年収の目安は見立てることができませんが、時給や訪問1件につき給与が支給されるのでそこから出勤日数や勤務時間を割り出すことで個々の年収は予測がつきます。
給与形態は時給や訪問件数による場合の2パターンがあります。時給は1時間につき1200~2500円であることが多く、訪問件数の給与形態の場合は1件のリハビリにつき4000円前後が相場です。
パートの場合、福利厚生は求人サイトで載っていることは少ないため、各企業に問い合わせが必要です。
非常勤の種類もさまざま
一般的にはフルタイムに満たない短時間労働者を非常勤とし、パートとして働くケースが多いですが、アルバイト扱いになる場合や、実際にはフルタイムで働く場合、契約社員や業務委託という形の施設もあります。
業務内容自体は、フルタイム勤務と変わらず、依頼された通りにリハビリや評価を行い、他部門と連携し、必要書類の作成をするので大きな違いはありません。
最近はさまざま施設や法人があり、今までになかったフリーランスでの働き方や、非正社員だけれどもフルタイム勤務なども見られるようになってきました。勤め先によって雇用形態が異なるので、労働条件や福利厚生内容などよく確認することが大切です。
4.常勤・非常勤で働くことの違いやメリットデメリット
最後に常勤と非常勤のそれぞれのメリットやデメリットを紹介します。
常勤は給料が安定していること、年収が上がる傾向があることが利点と言えます。ずっと言語聴覚士(ST)を仕事にしたい人は常勤で働いて、キャリアアップを重ねていくと年収も高くなっていく見込みがあります。
常勤のデメリットは、長く勤めていると刺激を感じなくなることや、仕事仲間の移動や退職などで人間関係が変わったときの負荷、昇進して管理業務が増えるなど働きにくい環境になったときに大変に感じやすいと言えます。
非常勤は勤務時間や日にちをコントロールして働けることが何より魅力です。他でSTとして正社員で務めて、休みの日にバイトする人。収入源がほかにあって時間や体調に合わせて努めたい人。家庭の用事や役割があり、長時間勤務が難しい人にオススメです。
非常勤のデメリットは、給料が常勤と比べて少ないことや、勤め先によって、自分の希望している時間帯や曜日で契約ができない場合があるということです。募集はされていても、実際には自分が望むほど働けない、出産したスタッフが戻ってきたら契約終了するケースも見られます。
5.まとめ
言語聴覚士(ST)の雇用形態は大きく分けると、常勤と非常勤があります。
常勤は週5日8時間フルタイムで働くため、正社員であることが多いです。正社員のSTの年収は約419万円で、福利厚生は、昇給制度や各種社会保険があるのがほとんどで、所によっては扶養手当、児童手当、退職金、託児所や寮がある場合もあります。
常勤のSTに求められることは、信頼できる仕事ができることです。他部門にも顔が知られ、状態の共有や様態の質問もされることが常なので、経験や実力をつけていくのが重要です。
非常勤(パート)のSTは年収は人によって異なるので割り出せませんが、時給は1200~2500円であることが多く、訪問件数の給与形態の場合は1件のリハビリにつき4000円前後が相場です。パートの場合、福利厚生は求人サイトで載っていることは少ないため、各企業に問い合わせが必要です。
パートのSTに求められることは、社員スタッフとの連携と正確な書類業務だと思います。
出勤日数が常勤と比べて少ないので、業務連絡や患者様の様子の共有する時間が少ないので、携業務はしっかりと行い、書類関係は正確に記載することで伝達が漏れなく行うことができます。
ご不明点があれば、是非PTOT人材バンクのキャリアパートナーに遠慮なくご相談ください。
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