言語聴覚士(ST)の仕事着は職場からの指定があったり、支給されることが多いですが、毎日の通勤服や普段の仕事とは異なる講演会・勉強会への出席など、服装選びに悩んでいる方も多いと思います。

特に入職して間もない時期は、仕事内容を覚えることで精一杯になってしまう時期でもありますが、ポイントさえ押さえておけば服装選びが楽になり、朝の時短にも繋がります。

今回はSTの服装選びについてのポイントをご紹介しますので、参考にしてみてください。

1.言語聴覚士(ST)の服装は基本自由

STの通勤時の服装は、一般的な企業のようにオフィスで働く時とは異なり、基本的には自由です。しかし、社会人であることに変わりはなく、TPOをわきまえた服装であることが好ましいとされています。

また、病院や介護施設など衛生管理に気を遣っていたり、多数の人と接する機会も多い職種ですので、清潔感が求められます。服装や髪型だけでなく、爪や化粧など細かい部分も注意しておきたいポイントです。

STの臨床の服装はケーシーなど清潔感と動きやすさを重視したものが主流ですがST全体として特に定められたものがあるわけではなく、施設により様々な制服が採用されています。

2.ケーシーを採用している職場が多い

言語聴覚士(ST)が働く職場の多くでは、リハビリ職のユニフォームとしてケーシーが採用されています。最近はケーシーだけでなく、ポロシャツにジャージ素材のパンツなど動きやすい制服を採用する職場も増えてきており、セラピストの好みや希望に合わせて制服を選択できるようになっている施設もあります。

私が勤務していた職場では当初、上下ともにホワイトのケーシーでしたが、動きやすさの向上や女性職員から下着の透けが心配との要望があり、上衣はそのままにネイビーのジャージ素材のパンツに変更されました。

また、介護施設では病院に比べるとジャージ素材など動きやすさを重視している施設が多く、施設のイメージによりホワイト以外にも水色やピンクなどのカラーで揃えていたり、イメージキャラクターが描かれていたりと、バリエーションも豊富です。

少数ではありますが、私服に白衣を羽織る施設もあります。その場合は、次の3章でご紹介するきれいめカジュアルを基本とした服を選ぶと好印象です。

靴や靴下も指示がなければ基本的には自由ですが、白で統一など指示がある施設もあるため、職場に確認が必要です。施設内の移動や緊急時にさっと行動出来るよう、スニーカーなど動きやすいものを選択しておくと安心です。

臨床の服選びの一番大事なポイントは清潔感です。患者様やご家族、スタッフなど多くの人と接する仕事ですので、制服はだらしなく見えないよう正しく着用し、常に清潔を保つようにしましょう。

また、柔軟剤やスプレーの制汗剤など香りの強いものは、体調のすぐれない方にとって吐き気を誘発したり、頭痛に繋がったりと悪い刺激となるため、香りの少ないものを選ぶかできるだけ使用は控えたほうが良いでしょう。夏の汗などが気になる場合は汗拭きシートがあると、必要な時にさっと使用できて便利です。

3.通勤着は私服でOK

言語聴覚士(ST)は多くの場合、出勤後に制服に着替えるため、一般的な企業に勤める方々に比べるとカジュアルな服装で通勤している人も多いです。

しかし、いくらカジュアルな服装でも良しとされていても、施設に出入りする姿がだらしなければ、外から見たその施設やスタッフの印象は良くありません。そのため社会人の基本的マナーとして、オンとオフの切り替えのためにも通勤時の服装には気を配る必要があります。

押さえておきたいポイントとしては、「清潔感」と「きちんと感」です。

具体的にはダメージジーンズやミニスカート、サンダルのようなカジュアルすぎるアイテム、首回りが伸びているようなTシャツや汚れた靴などだらしなく感じられる服装は避け、きれいめカジュアルを意識すると清潔感のある好印象な服装選びができます。

スニーカーを履く場合は、汚れの少ない綺麗なものを選び、トップスはシャツできちんと感を出す、Tシャツでもジャストサイズできれいめにまとめるなど、バランスを取るとよいでしょう。

また、死を連想させるようなドクロなどのモチーフを使用したデザインや派手な柄のシャツもあまりよいイメージを持たれるデザインではなく、通勤服としてはふさわしくありませんので注意が必要です。

服装のほか、髪型・髪色は落ち着いたもの、化粧はナチュラルメイクであれば大丈夫という施設が多いです。ネイルに関しては、爪を伸ばしていることで患者様を傷付ける可能性があることや衛生面の問題、イメージが良くないなどの理由から禁止している施設が多いです。

4.講演会はオフィスカジュアルを意識する

言語聴覚士(ST)は日々の臨床業務が基本ですが、時折、講演会や勉強会などが開催されます。その際の服装も自由ですので、会場の規模や出席者の層、自身の立ち位置などを考慮して場の雰囲気に合った服装選びを心掛けましょう。

施設内で開催されるスタッフ向けのものは基本的には全員ケーシーなどの制服か通勤時の服装での参加となる場合が多いため、今回は外部で開催される際の服装についてご紹介します。

聴講者として参加する場合

講演会や勉強会への参加で一番多いのは聴講者として参加する場合です。近隣病院で行われる10人程度の小規模の勉強会では襟付きシャツを基本としたきれいめカジュアルで問題ありませんが、県士会や学会が主催する比較的大規模な会への出席は少しフォーマルを意識したオフィスカジュアルがおすすめです。

規模が大きくなると出席者が多くなるため、必然的に目上の方と挨拶を交わす機会も増えます。その際に、あまりカジュアルな服装だと印象を損なう可能性もありますので、注意が必要です。

押さえておきたいポイントは、「清潔感」、「露出度」、「派手さ」の3つです。

服装自体がオフィスカジュアルに適したものであっても、シワだらけであったりヨレていたり、または過度に着崩していたり、露出していたりすると、だらしない、清潔感がないという印象をもたれてしまいます。

また、暑い時期は薄着になるため露出が高くなりがちです。女性の場合、ジャケットや羽織のインナーにノースリーブを着用していると、ジャケットを脱いだ際に露出が増えてしまうということも考えられますので、なるべく肌の露出を抑える気遣いが必要です。

講演会、勉強会という会の雰囲気を考えると服の色選びや小物使いも重要です。黒、白、紺など落ち着いたカラーを基本に、派手な色使いや場にそぐわない華美なアクセサリーの使用は控えた方がよいでしょう。女性の場合はメイクやネイルも派手な印象にならないようナチュラルを心掛けましょう。

発表者や会の運営として参加する場合

発表者として参加する場合には自分が所属する施設の顔として、会の運営として参加する場合にはその運営スタッフの一員として主催団体のイメージに繋がります。そのため、聴講者として参加する際の服装よりも、もう少し細かい部分にこだわるとより良い印象になります。

基本スタイルはジャケット着用で、誰から見ても失礼のない服装がおすすめです。スーツに近い組み合わせは硬い印象になりがちですので、シャツの色や素材にこだわるとやわらかい印象に変えることができます。

資料を入れるカバンや腕時計、アクセサリーなどはスーツに合うシンプルなデザインのものを1つ用意しておくと、きちんと感が増し、使いまわしも効くので便利です。

5.まとめ

今回は言語聴覚士(ST)の服装選びについてご紹介しました。社会人としてのマナーや施設ごとに髪色などの規定はあるものの、STは通勤の服装に関して一般企業に比べるとカジュアルに楽しむことができます。

制服でも私服でも、基本的には「清潔感」を感じられる服装であれば指摘される可能性は低いですが、他者から見たあなた自身のイメージにも繋がりますので、服装で損をすることのないような選び方を心掛けましょう。

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