言語聴覚士(ST)として、何歳まで働けるのでしょうか。
現役の方はもちろん、これからSTを目指す学生の方や第二のキャリアとしを検討している方にとっても気になる点だと思います。
今回は、定年後のことも視野に入れている方に向けて、STの定年や定年後のキャリアについて解説していきます。
目次
1.言語聴覚士(ST)の定年
まずは、資格と働き方という2つの視点からSTの定年について見ていきましょう。
資格には定年はないが職場に存在する
言語聴覚士の資格自体に定年は存在しませんが、病院や施設などに各勤務先によって定年制度が設けられていることがほとんどです。年齢も一般企業と同様に、60~65歳を定年としているところが多いです。
そのため、定年後の再雇用制度があるところの場合、70歳まで働けるケースもあります。
STは定年後も働きやすい
言語聴覚士は仕事内容の性質上、若さが重要視されることは少なく、知識やスキルはもちろん、人間性や見た目、立ち振る舞いなどが重視される傾向にあり、年齢を重ねてからも働きやすい仕事と言えます。残業や夜勤、体力仕事も少ないこともポイントの一つです。
また、他のリハビリ職と比べて絶対数が少なく、お年寄りから子供まで幅広い年齢層から需要があることも、定年後も働ける根拠と言えるでしょう。
そのため、定年後も、職場と良好な関係性を築いていれば、再雇用制度を活用できることも十分にあり得ます。
2.言語聴覚士(ST)が定年後も働くために
STとして長く働いていくために、キャリアの進め方をよく考えておくことも大切です。ここでは、4つのキャリアパスについて取り上げていきます。
①.資格を身に着けて専門性を高める
スキルを向上させることは不可欠ですが、さらに資格を取得して専門性を高める方法もあります。具体的には、「認定言語聴覚士」の資格があり、より高い専門性を示すことができます。
また、関連資格として取得することが多いのが、「介護福祉士」、「ケアマネージャー」や「栄養サポートチーム専門療法士」といった資格です。
下記にも資格について詳しくまとめていますので、自身の高めたい専門性に合わせた資格を検討してみましょう。
②.施設の管理職を目指す
STとしてのキャリアアップには、病院や施設の管理職を目指すという方法もあります。管理職になるためには、ある程度長期間勤める必要があり、マネジメントの能力や知識も必要です。
医療機関内のリハビリテーション科では、理学療法士や作業療法士が科長となることも多く、STがどのような役職に就けるかはその施設にもよります。
リーダーに求められることや目指し方についてまとめられた記事もありますので、気になる方は参考にしてみてください。
③.養成校の教員や研究職に就く
医療施設や介護施設の臨床現場とは離れ、教育や研究に進む道もあります。
具体的には、養成校である専門学校や大学の教員となる道や、大学院などに行って教授や研究員になる、養護学校で働くなどが考えられます。
養成校で教員になるには、5年以上の臨床経験が必要になるほか、大学教員の場合は学位も必要になります。養護学校で働く場合は、特別支援学校教員の資格を取得する必要があります。
④.起業する
STとして独立開業するというキャリアパスもあります。
具体的には、言語や聴覚障害のある方を対象としたリハビリ施設を立ち上げることが挙げられますが、ST資格単独では保険請求ができないため、完全に自費診療の施設となります。他に、STのセミナーや研修会を主催する会社を立ち上げるといった方法があります。
開業については下記記事で詳しく紹介されています。
3.言語聴覚士(ST)として生涯現役で働くために
STとして、生涯現役で働いていくために必要なこととはどんなことでしょうか。今からでも、意識して行っておくと良いことなどをポイントとしてあげていきます。
知識・スキルの習得
医療に関する知識や情報、技術、法律に関しても年々新しいものへ変わっていきますので、生涯現役で働いていくためには知識・スキルの習得は必要不可欠です。
新しい医療に対応していくためにも、積極的に学会や研修会に参加して情報収集を行い、既存の知識を更新していく必要があります。
職場との関係性
上司や周囲のスタッフと良好な関係を築いておくことは、続けて働いて欲しいと思って貰えるような重要なポイントとなります。
規模にもよりますが、定年後の制度が十分に整っていない職場でも、関係性次第で定年後も働かせて貰えるかの交渉しやすさにも繋がります。
健康管理
定年後も勤務していく道でも、独立開業する道でも、生涯STとして現役で働いていくためには、健康管理は必要不可欠です。
他のリハビリ職と比べて身体を動かすことは少ないですが、健康を保っていくためにも、適度な運動を取り入れて、食生活や生活習慣など日々の健康管理は重要といえるでしょう。
4.まとめ
STは需要性も大きく仕事の性質上からも、働きやすい職種といえます。
少しでも長く生涯現役として働いていくためには、将来のキャリアパスを考え、今からでも将来に備えて必要なことを準備していく必要があります。
生涯現役で活躍すればするほど、多くの患者様やご利用者様と関わり、様々な経験を積むことができ、充実したST人生を送ることができるのではないでしょうか。
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