作業療法士として働くためには、国家試験に合格した後、「免許申請」を行う必要があります。
この記事では、作業療法士免許の申請に必要な書類とその書き方、申請時の注意点、診断書の取得場所、登録済証明書のオンライン発行方法などを解説します。
免許申請をせずに免許登録前に業務を行うと、行政処分を受ける可能性があるため、できるだけ早く登録を完了させましょう。
目次
作業療法士の免許申請方法
必要な申請書類は合計5点です。申請方法や提出先も併せてお伝えします。
免許申請書
作業療法士免許申請書は、厚生労働省のホームページからダウンロードできるほか、保健所や保健センターでも配布されています。
記入例は以下を参考にしてください。なお、受験地コードは試験を受けた会場がある都道府県の番号を記入します。
書類の記入ミスは申請の遅れにつながるため、特に以下の点に注意しましょう。
・本籍地や氏名の記載ミスがないか
・印鑑の押し忘れがないか

(参考:https://www.mhlw.go.jp/content/000748991.pdf P.10)
診断書(取得場所も解説)
診断書は最寄りの病院やクリニックで作成してもらうことができます。ただし、診断に関しては保険適用外となり、自費負担となる点に注意しましょう。
この診断書は医師が作成し、発行日から1か月以内のものが有効とされています(例:5月1日に申請する場合、4月2日以降に発行されたものが必要)。そのため、申請直前に取得するようにしましょう。
診断書は厚生労働省指定のフォーマットを使用し、以下の項目を必ず記載する必要があります。
・氏名・生年月日
・既往歴
・身体的・精神的な疾患の有無
・医師の署名および医療機関の押印
なお、コピーは不可で、原本の提出が必要です。
書類の不備があると再発行が必要になる場合があるため、記載内容に誤りがないか確認しましょう。また、医療機関によっては発行までに時間がかかることがあるため、早めに依頼することをおすすめします。
住民票の写しまたは戸籍抄(謄)本
住民票の写しは市役所で発行可能です。ただし、発行から6か月以内のものであり、コピーは不可のため原本を提出する必要があります。また、本籍地の記載があり、マイナンバー(個人番号)が記載されていないものを用意しましょう。住民票の発行には300円必要です。
合格証書の写しまたは合格証明書
国家試験に合格すると厚生労働省から届く「合格通知書」(はがきサイズ)も忘れずに。
登録済証明書用の返信用はがき ※希望者のみ
作業療法士免許の登録が完了するまでの間、業務に従事するための証明として「登録済証明書」が発行されます。この証明書は、勤務先への提出や資格の証明として使用でき、住所地を管轄する保健所で購入できます。
詳しい発行方法は後ほど解説しますが、オンラインではなくはがきで証明書を発行する場合は、返信用はがきを提出しましょう。
提出先・申請時の注意点
必要書類がそろったら、指定の提出先に郵送または持参して提出します。
提出先は、住所地を管轄する保健所であり、業務時間内に申請が必要です(一部の県は県庁)。
申請後は、書類の審査や厚生労働省が管理する「理学療法士名簿」への登録が行われるため、免許証が手元に届くまでに約2~3カ月かかります。
免許証の準備が完了すると、「免許証交付通知はがき」が保健所から届くので、そのはがきを持参し、保健所の窓口で免許証を受け取りましょう。
申請時は以下に注意しましょう。
・収入印紙(9,000円分)は事前に購入
収入印紙は郵便局や一部の金融機関で購入可能ですが、提出先の保健所では購入できないため、事前に準備しておくのが安全です。また、免許証受領用の郵便切手540円分(免許証1枚の場合)も、あらかじめ用意しておくとスムーズに手続きが進みます。収入印紙はコンビニでも購入可能ですが、取り扱いの種類が限られていたり、在庫がない場合があるため、郵便局での購入が確実です。また、「収入証紙」と間違えないよう注意しましょう。万が一、誤った金額の収入印紙を購入した場合でも、損傷がなければ手数料を支払うことで交換可能です。
・印鑑も持参するとよい
申請書に誤りがあった際の訂正印として、印鑑を使用する可能性があります。修正テープや修正液は使用できないため、注意が必要です。
登録済証明書の発行方法
前述のとおり、免許証の交付には約2~3カ月かかるため、希望すれば「登録済証明書」を発行してもらうことができます。就職先で提出を求められる場合があるため、必要かどうか事前に確認しておきましょう。
なお、免許申請後に「登録済証明書」の発行を依頼しても、対応してもらえない場合があるため注意が必要です。
オンライン
以前ははがきでの発行のみでしたが、2023年からオンライン発行が可能になり、より早く「登録済証明書」を受け取れるようになりました。ここでは、オンライン申請の手順について解説します。
【登録済証明書のオンライン申請手順】
登録済証明書のオンライン申請は、「医師等免許登録確認システム」から行いましょう。
①申請情報の仮入力
②仮登録完了通知のURLへアクセス
③仮登録完了通知に記載された一時パスワードを入力し、申請情報を本登録
④本登録完了通知の受信
⑤登録済証明書の発行
オンライン申請の注意点
作業療法士の登録が完了すれば、サイト上で発行される登録済証明書を印刷するだけで、すぐに入手可能です。
ただし、本登録完了メールの送信には時間がかかることがあります。特に年度の始め(3月・4月)はアクセスが集中し、本登録完了メールの受信までに最大で約2カ月かかることもあります。そのため、早めの申請をおすすめします。
(出典:厚生労働省 | 医師等医療関係資格者の皆様へ登録済証明書をオンラインで受け取れます)
はがき
はがきで発行する手順は以下の通りです。登録済証明書は官製はがきでも発行できます。指定のはがきを受け取れなかった場合でも、官製はがきで手続きが可能です。
・免許申請時に登録済証明書を希望する旨を記載
・返信用はがきを同封(85円切手を貼り、住所・氏名を記載。速達希望の場合は385円分の切手を貼付)
・申請書類とともに厚生労働省へ送付
・返信用はがき自体が登録済証明書となり、返送されます。
自宅に届いたはがきを勤務先に提出することで、証明書として使用できます。
オンラインで免許申請・再発行できる(2025年秋~)
デジタル庁によると、2025年秋以降、理学療法士の免許申請や再発行手続きがオンラインで順次可能になる予定です。マイナポータルでご自身のマイナンバーカードと国家資格の情報を連携するための初期設定を行うことで、お持ちの国家資格に関する各種申請やデジタル資格者証の取得が可能になるとのことですので、ぜひ活用してください。
【マイナンバーカードを持っているとできること】
・オンラインでの申請
・住民票のような戸籍に関する書類の準備が不要
・収入印紙を購入せず、発行手数料をオンラインで支払える
新規申請だけでなく、紛失時の再発行や結婚などによる登録名の変更申請も、マイナポータルから行えるようになる予定です。
(出典:デジタル庁 | 国家資格等のオンライン・デジタル化)
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