「ブラック企業」という言葉は、一般企業で働く人に限ったことではありません。リハビリ職の中でも、「患者さんのため」「いい人材を育てるため」と言って勉強会へ強制参加させたり、有給や残業代が正当に取得できない職場も存在します。
この記事では、リハビリ業界におけるブラックな職場の実態や特徴を解説した上で、ホワイトな職場を選ぶポイントもご紹介していきます。ぜひ現状と今後を見つめるきっかけにしてください。
目次
1.作業療法士(OT)のブラック職場あるある
OTとして初めて就職した職場がブラックだった場合、その職場のルールが「普通」だと感じてしまうため、働く環境としておかしいことになかなか気づけないことも多いです。
OTが陥りやすいブラックな職場環境にはどのようなものがあるのか、パターンをいくつかご紹介します。
ノルマが設定されている
病院や施設を運営するにあたって、売上は重要になってきます。そのため、単価の高い疾病や状態の患者さんに対してリハビリをできる限り多く行うという考えも経営として必要です。
しかし、そこだけに意識を向けてスタッフにノルマを課している職場は、患者さんとの向き合い方やリハビリの質を正しく評価してくれない場合があります。
そのような職場の場合、過度なプレッシャーがスタッフにかかっていたり、働く環境として劣悪になりやすい傾向があるでしょう。
勉強会はほぼ強制参加
業務終了後や休日などに行う勉強会に参加しない職員を「なまけている」などと非難したり、任意参加であるはずのものが暗黙のルールで強制参加になっている職場は要注意です。
職員のことを考えていない、上司や経営陣の無言の圧が常態化している職場の可能性が高いと言えます。
有給が取れない
有給休暇を取得することは労働者の権利として認められています。また、2019年4月からは労働基準法が改正され、有給休暇取得が義務化されているのです。
それにも関わらず、「有給休暇の取得を上司に断られる」「有給取得の理由を申告させられる」「有給を取ろうとすると嫌な顔をされる」などで、思い通りに有給が取れないというケースも珍しくありません。
有給が取れないという実状が当たり前になっている職場は、ブラック企業である可能性が高いでしょう。
サービス残業が当たり前になっている
業務時間に患者さんのリハビリの予定が詰まっていると、就業後にカルテや書類を作成することもあるでしょう。
また、勉強会参加など、そういった時間外労働を正当に評価されず、サービス残業として扱われている職場は、ブラック企業ではないかと考える一つのポイントと言えるでしょう。
2.ブラック企業になりやすい職場の特徴
今の職場がブラックなのか、見極めが難しいという方も多いのではないでしょうか。ブラック企業ではよく見られる特徴がありますので、以下を参考に今の職場を見つめ直してみてください。
「患者さんのため」「自己成長のため」を連発する
上司や経営陣が「患者さんのため」「自己成長のため」と職員に伝え、暗黙の了解で過度な業務を行っていないでしょうか。他の職場を経験していない場合、この言葉を鵜呑みにしてしまったり、信じて頑張りすぎてしまうこともあります。
しかし冷静に考えた時、その言葉に「働く職員のため」という気持ちが入っていなければ、その言葉は圧力やただのやりがい搾取になってしまうのです。
定時で帰る職員にいい顔をしない
定時で変えることは決して悪いことではありません。
効率よく仕事をこなせる人や、家庭の事情で帰る人などさまざまな理由がある中で、「あの人はいつも早く帰る」「他の人は残業しているのに」といい顔をしない職場はブラック体質が根付いているという特徴があります。
パワハラ上司がいる
患者さんや職員の前で怒鳴ったり、過度な否定を繰り返す上司はいませんか?
行き過ぎた「指導・教育」はパワハラやいじめにつながることもあり、ブラックな職場の大きな特徴です。
辞めさせてくれない
退職の意思を伝えたときに、「辞められると困る」と職員の意思を聞かずに引き止める上司がいます。
職員のことをしっかりと考えている上司であれば、辞める理由や事情をしっかりと聞くはずです。職場や上司の都合だけで、辞めさせてくれないという職場はブラック企業である可能性が高いでしょう。
3.負担の大きい勉強会との付き合い方
職場の勉強会は、業務に活かせることや多職種と交流できるという点でも良い機会だと思います。しかし、強制的に参加を促されたり、全てに参加しなければいけないということではありません。
業務終了後1∼2時間残業になるわけですから、自分の中で折り合いをつけながら上手く付き合っていく必要があります。
まず大事なことは、自分にとって参加する意義がある勉強会かを考えることです。「作業療法士として成長できる」「職場内でより良く業務を行っていくために必要」と自分を軸として考えてみてください。
そして、参加がほぼ強制になるのであれば、しっかりと残業代がつくかどうかで業務として割り切るのも一つです。
自分の中で折り合いをつけながら、判断に応じて断る勇気も持ってみましょう。学ぶ姿勢や他の職員との関係性も大切にしながらも、自分自身を守ってあげてください。
4.辛い時は転職も視野に入れる
ブラックな職場あるあるや特徴をご紹介してきましたが、今の自分の職場がブラックな職場に当てはまる場合、耐え続ける必要はありません。
もし、信頼し相談できる上司がいれば、労働環境を改善するために提案することも一つです。しかし、そこを改善することには精神的な負担や労力を投じることになります。労働環境を変えることが難しいと判断した場合には、転職も視野に入れてみましょう。
5.まとめ
作業療法士(OT)として働ける職場は他にもたくさんあります。ホワイトな職場に転職することによって、より作業療法士として成長していけることもあるでしょう。
ホワイトな職場に転職したいと考えた際には、実際に職場の雰囲気を見たり、働いている人の話を聞く、第三者に入ってもらい直接聞きにくいこともしっかりと納得いくまで知ることが大切です。
転職サポートのプロとして、PTOT人材バンクのキャリアパートナーにぜひ相談してみてください。
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