理学療法士として働く方の中には、「うつ病」などをはじめとした精神疾患になってしまう人もいます。理学療法士の仕事には患者さんの心身両面のケアをすることが求められるため、自分自身が精神疾患を抱えた状態でほかの人のケアをする仕事を続けることができるのか悩んでいる方も少なくありません。

今回は、理学療法士が精神疾患になってしまう原因や仕事を続けることができるのかといったことなどについて解説します。

理学療法士だって’うつ’になる

理学療法士になる際には、国家試験に合格してから免許を交付されるまでのあいだに健康診断があり、もし心身の障害を抱えていて理学療法士の業務を適正に行うことができない場合、免許が交付されないケースがあります。

とはいえ、これは免許交付前の話ですので、理学療法士として働き始めてから、うつ病や強迫性障害、統合失調症などの精神疾患にかかる可能性はだれにでもあります。実際に職場のストレスなどにより、理学療法士でも精神疾患を抱えるようになったというケースがあります。

理学療法士が精神疾患になってしまった場合、仕事はどうする?

もし現在理学療法士として働いていて、精神疾患を患っていることがわかった場合、症状の度合いによって仕事を続けることができるかどうかは変わってくるかもしれません。ここでは症状が軽い場合と重い場合の2つのケースに分けて考えてみましょう。

精神疾患の症状が軽い場合

精神疾患の症状が軽くて仕事に影響がない程度ならば、理学療法士としての仕事を続けることができるかもしれません。心配なときは、職場の上司に症状を相談しておくとよいでしょう。

精神疾患の症状が重い場合

精神疾患を抱えていて、仕事にも影響する場合は上司と相談して仕事のフォローをしてもらったり、休職して療養したりするといった対応が必要になるケースもあります。休職する場合は職場によってそれぞれ規定があると思いますので、それに従って休職することになるでしょう。

また、精神疾患の原因が理学療法士としての仕事そのものから来るストレスや職場の人間関係などにある場合は、職場を変えたり、理学療法士以外の道に進んだりするのも一つの解決法になることがあります。

いずれにしても精神疾患の症状が悪化した場合には、まずかかりつけの病院に行って主治医と休職すべきかどうか相談するようにしましょう。

療養後、復帰している理学療法士もいます

理学療法士であってもなくても精神的な疾患を抱える経験はつらいものです。しっかりと療養して理学療法士と復帰している方もいますので、もし現在、精神的な疾患を抱えているとしてもあきらめずにまずは治療に専念しましょう。

最後に、もし現在精神疾患を抱えながら理学療法士として働いている場合、症状を悪化させないようにするのに役立つ工夫を3つ取り上げます。

十分な睡眠と健康的な食事を取る

ストレスをためない生活を送ることが大切ですが、そのためには十分な睡眠と健康的な食事を取る必要があります。とくに十分な睡眠を取ることによって脳の疲れをリフレッシュすることができますので、寝る前に悩みや不安を感じていても起きたら気持ちが楽になるでしょう。

調子のよいときと悪いときがあることを受け入れる

うつ病などの精神疾患を抱えている場合、日によって心身の調子が変わってくることは避けられません。そのことを受け入れ、焦らずに少しずつ克服していくのが大切です。無理をすると状態が悪化してしまうので、心身の調子が悪いときには仕事を休む勇気を持つことも忘れないようにしましょう。

通院や薬の服用を怠らない

調子がよい状態が続いたり、仕事で忙しい状態が続いたりすると通院や薬の服用を怠りがちになります。場合によっては、自分の体調や通院・服薬の予定に合わせて仕事の出退勤時刻や休憩時間などを調整して、仕事に影響が出ないよう上司と相談することも検討してみてください。

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