スポーツに関わる仕事をしたいと思った時に、理学療法士(PT)を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

選手に帯同するサポートスタッフとして働くPTやフィットネスジムで働くPTもいますが、実際には無資格でスポーツトレーナーとして働くことも可能です。

今回は、スポーツ分野で活躍したいPTや、スポーツ分野で働くためにスポーツトレーナーの資格を取得しようと考えている方に向け、スポーツトレーナーとPTの違いや仕事内容などを詳しくご紹介していきます。

1.スポーツトレーナーと理学療法士(PT)の違い

スポーツトレーナーとPTには、どのような違いがあるのでしょうか?

まずは両者の違いについて詳しくみていきましょう。

トレーナーの種類

スポーツトレーナーの中にも種類があることをご存じですか?

スポーツトレーナーは大きく5種類に分類することができ、それぞれに特徴や仕事内容、活躍する場所が異なりますので、本題に入る前に簡単にご紹介します。

①.アスレッチクトレーナー

試合中や練習中のケガの対応やケガからの復帰について情報提供やケアをし、選手が安全に競技をするためのサポートを行います。

ケガの応急処置だけでなく、その予防や再発防止のためのトレーニングや健康管理などを行うほか、各競技の特性や選手の状態に合わせたテーピングやアイシング、ストレッチなどサポートします。

②.メディカルトレーナー

整形外科などがある医療機関に勤務し、ケガをした選手の運動機能の回復をサポートすることが主な仕事です。

アスレチックトレーナーと仕事内容が似ていますが、医療機関に所属し、医療面からのアプローチとなる点が異なります。

③.ストレングストレーナー

選手の体力や筋力増強など身体機能を高めることを目的としたトレーニングメニューの作成をするとともに、トレーニング方法の指導を行います。

競技パフォーマンス向上だけでなく、ケガをしにくいカラダを目指したトレーニングを提案し、サポートしていくことが主な仕事です。

④.コンディショニングトレーナー

試合や練習前後に選手のコンディションを整え、競技パフォーマンスを最大限に引き出せるようサポートを行います。

選手の身体の状態を評価し、機能改善に向けたトレーニング計画を立てる技術や知識が求められます。

⑤.フィットネストレーナー

フィットネスクラブやスポーツジムに通う一般のスポーツ愛好家の方に対して運動指導や筋力トレーニング、ストレッチ、マシンの使用方法などを指導します。

趣味で身体を動かしたい人や健康管理を目的とした人も多いため、スポーツトレーナーとして経験の浅い人や資格がない人でも従事しやすいといえます。

スポーツトレーナーの仕事内容

ここでは、希望する方が多いであろうアスレチックトレーナーをスポーツトレーナーとして、仕事内容をご紹介します。

主にプロや実業団、スポーツ強豪校などの契約スタッフやスポーツジムスタッフとして運動能力の向上やトレーニング指導、ケガ予防などのサポートを行います。

選手の健康管理はもちろん、練習中や試合中だけでなく、その前後に必要となるテーピングやストレッチ、アイシングなどを行います。

また、ケガをした選手への応急処置やケガの防止、競技への復帰をサポートするリハビリテーションを行う場合もあります。

最近では、スポーツジムやパーソナルジムなどで、健康管理やボディメイクなどの指導を行うケースも増えてきており、選手だけでなく一般の方に向けてもトレーニング計画を立て指導することがあります。

PTの仕事との違い

PTは、ケガや病気により身体活動が制限されている方に対して運動療法や物理療法などのリハビリテーションを提供することが主な仕事です。

スポーツトレーナーの場合は、もともと運動能力が高いスポーツ選手を対象に、より高いレベルで身体機能を発揮できるようにトレーニング計画を立てたり、コンディショニングを整えたりすることがメインになりますが、PTは病気やケガにより本来の運動機能が障がいされた方が対象となります。

また、PTは主に医療機関や介護施設などに勤務する人が多いですが、スポーツトレーナーはメディカルトレーナーなど特別な例を除き、医療機関や介護施設で勤務することはありません。

このように、担当する対象や所属先が異なり仕事内容も異なる点が多くありますが、PTとしての知見を活かし、ケガをした選手のリハビリテーションはもちろん、ケガの予防や競技パフォーマンスの向上のために適切な身体動作の改善を促していく役目を担うことができるため、スポーツトレーナーとして働くPTは少なくありません。

スポーツトレーナーが保有する資格によっては運動療法や物理療法など医療類似行為を選手に行うことが法律違反になる可能性がありますが、PTの場合はチームドクターや主治医の指示の下であれば、スポーツ分野で求められるサポート的役割を十分にこなすことが可能です。

2.理学療法士(PT)がスポーツトレーナーになる方法

現在の日本では、スポーツトレーナーになるために必須の資格はありません。

無資格でもスポーツトレーナーになれるため、国家資格のPTはスポーツトレーナーを目指す上で有利であるとされています。

しかし、同業のPTだけでなく柔道整復師や鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師なども国家資格を保有しているという点においては同じ条件になるため、PTの資格を保有しているだけで良いというわけではありません。

スポーツトレーナーを目指すのであれば、理学療法だけでなくスポーツ医学についての知識も得た上で、スポーツトレーナーのボランティアに参加したり、スポーツリハビリテーションに関わる職場に就職したりするなど、スポーツ分野での経験を積むことが大切です。

特にプロスポーツチームなど第一線で活躍するスポーツトレーナーを目指す場合には、海外のスポーツトレーナーの国家資格や海外でも通用する認定資格などを取得するほか、多言語でのコミュニケーション能力を得るなど更なる努力が必要になります。

3.理学療法士が(PT)がスポーツトレーナーを目指すメリット

PTは解剖学や運動学、生理学などの医学的な専門知識を持ち、ケガや病気による運動機能及び能力の低下に対してリハビリテーション行う、いわば身体的ケアのスペシャリストです。

選手の動作から姿勢やフォームの評価を行い、改善点を見つけ出だしたり、骨や筋肉の歪みを整えたり、症状に合わせて対応することができる能力はスポーツトレーナーを目指す上で有利に働きます。

他の類似資格とは異なり、姿勢動作分析ができる点はスポーツトレーナーにとって大きな強みにもなるでしょう。

4.理学療法士が(PT)がスポーツトレーナーを目指す際に気を付けた方が良いデメリット

医療機関や介護施設に就職して働く場合は、仕事も安定しており、社会的信用も高いといえます。

それに対してスポーツトレーナーの場合は、経験や実績で年収が大きく左右されるケースや雇用形態が契約社員になるケースもあり、医療機関や介護施設に就職する場合に比べて不安定な面があることは否めません。

能力が買われれば、医療施設などで働くよりも高い年収を獲得できるチャンスがありますが、シビアに能力が評価されることを覚悟しておきましょう。

また無資格でも働ける就職先の場合は、国家資格の有無が給与に反映されない場合もあるため、年収が低くなる可能性もあるので注意が必要です。

5.まとめ

スポーツ分野の中でも、活躍が期待される理学療法士(PT)。

どのような分野で働くスポーツトレーナーになりたいのか、深く掘り下げてメリット・デメリットを理解した上で、必要な知識や経験、資格を手にしていくことが大切です。

本業として働くとう選択もありますが、医療機関で働く傍らボランティアやアルバイトでスポーツトレーナーをするという選択肢もあります。

ぜひ自分にあった働き方を見つけて、充実した働き方を見つけてください。

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