就職先や転職先を検討する際に、職場の雰囲気の良さや働きやすさは大切なポイントになります。
しかし、求人情報に掲載されている情報は、給与や福利厚生などが中心となるため実際の雰囲気や働きやすさまでは判断が難しいですよね。
そこでおすすめしたいのが気になる職場の施設見学です。
今回は、どのようなスタッフがどのような環境で働いているのか自分の目で確かめて就職転職に活かせるよう、施設見学のチェックポイントなどを紹介していきます。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.施設見学する際の5つのポイント
理学療法(PT)に限らず見学を受け入れる企業や病院は増えており、現場のスタッフと話したり、雰囲気を肌で感じられたりするメリットがあります。
限られた時間の中で、しっかりと職場環境をチェックするために必要なポイントをご紹介してきます。
①.スタッフの表情
見学の際に見てもらいたいのが、スタッフの表情です。
もともとの顔立ちや性格などもあるので、スタッフの表情に職場環境がそのまま表れているわけではありませんが、スタッフの多くが疲れた顔をしていたり、機嫌が悪そうだったりしていないかチェックしておきましょう。
また、役職が上の人と、経験年数が浅い人の表情の違いがないかも大切なポイントです。経験年数に関わらず伸び伸びと働けている様子が見られると安心ですね。
②.リハビリテーション室の雰囲気
リハビリテーション科内の雰囲気も大切なポイントです。
PT同士のコミュニケーションはもちろん、作業療法士(OT)や言語聴覚士(ST)などリハビリテーション科内の関係性が良いかどうか確認しておきましょう。
他職種とのコミュニケーションは業務を進めるうえで重要であることはもちろん、リハビリテーション室は多くの時間を過ごす場所になるため、自分が働くことをイメージしながら見学することが大切です。
明るくエネルギッシュな雰囲気よりも、落ち着いてリハビリテーションを行える雰囲気が良いという人もいますので、一概に明るい雰囲気なら良いわけではなく、自分にとって働きやすいかどうかという視点で見学をしましょう。
③.施設の清潔感
医療機関や介護施設では専門の清掃スタッフが清掃を担当しているケースと現場のスタッフが清掃をしているケースがあります。
見学の際には整理整頓がされているか、ホコリっぽい匂いや汚物の匂いがしていないかなどチェックしておきましょう。
施設内の清掃が行き届いていない場合、清掃まで手が回らないほど余裕がなかったり、スタッフの意識が低かったりする可能性があります。
利用者さんが使用する場所だけでなくスタッフルームやスタッフステーションなどの状態もチェックし、衛生管理や感染対策、個人情報の管理などへの意識の高さも確認しておくと安心です。
ずさんな管理体制がうかがえる場合は、衛生面以外でもずさんな体制である可能性もあるため注意しましょう。
④.他職種との関係性
医師や看護師、介護士、コメディカルとの関係性も確認しておくべきポイントです。
対等に会話ができる環境であれば良いのですが、リハビリテーションスタッフが遠慮がちだったりコミュニケーションを避けていたりする様子があれば要注意です。
リハビリテーション科のスタッフの人柄が良くても、施設内での立場が弱く仕事がしにくいケースもあります。
ただし仲が良ければ良いかというと、そういうわけでもないのが難しところです。
スタッフ同士の中が良くても緊張感がなく慣れあいになってしまっているケースもあり、それぞれの専門分野に対するプライドをもちつつ、互いに尊重しあえる環境があることが望ましいといえます。
それらを踏まえてスタッフが他職種とどのようにコミュニケーションをとっているのか、しっかり確認しておきましょう。
⑤.患者さんへの対応
患者さんや利用者さんに対してスタッフがどのように対応しているかは非常に重要なポイントです。
患者さんや利用者さんがリラックスしているか、モチベーションは低くないか、スタッフは患者さんや利用者さんの立場になり安心して過ごせる配慮をしているか、患者さんや利用者さんとの信頼関係が築けているかチェックしましょう。
病状や障がいにより表情で判別できない場合でも、スタッフが丁寧に対応している様子が見られれば安心です。
2.施設見学で失敗しないための準備
実りある施設見学にするためには、事前の準備が欠かせません。見学をする前にどのような用意が必要か確認していきましょう。
見学時の服装はしっかりと
施設見学は採用試験とは異なりますが、見学時の情報は採用担当者にも伝わると思っておきましょう。見学ではあるものの就職時と同様に普段着ではなくスーツなどを着用していくと安心です。
また、スーツのうえに白衣を羽織って見学したり実習などと同じようにケーシーに着替えて見学したりするなど施設によって見学時の服装が異なるため、施設見学をお願いする際に服装について忘れずに確認しておくようにしましょう。
当日は、爪は短く切りそろえ、アクセサリーやネイルアートも控えた清潔感のある服装と明るすぎない髪色にし、髪が長い場合はまとめておくなど清潔感のある髪型に整えます。
見学ではありますが実際に患者さんの前に立つ以上、勤務するスタッフと同様かそれ以上に清潔感のある身なりであることを心がけましょう。
また忘れがちですが、ケーシーに着替える場合は靴を持参することに加え、白い清潔感のある靴下にしておきます。細かいですが、男性の場合はスーツの時の靴下と同じにならないよう別のものを用意しておくようにしましょう。
見学先の情報は事前にチェックし質問を考える
見学時間を有効に使うためにも、事前に情報をチェックし質問する内容をある程度絞り込んでおくことをおすすめします。
当日に案内される話をそのまま聞くだけでなく事前に入手した情報もとに気になるポイントを押さえておくことは、見学時間を有意義に使うだけでなく、担当スタッフへ意欲的な印象を与えることにもつながります。
人気のある施設の場合は、見学を担当してくれるスタッフの印象に残ることは大切な要素にもなるため、事前に聞きたいことをまとめておくと良いでしょう。
最近はホームページをもつ施設も多いため、施設の規模やベッド数、診療科目、リハビリテーションスタッフの人数などホームページに掲載されている内容を聞くとことは興味がないことをアピールしていることにもなりかねません。
施設の情報をホームページや転職サイトなどから情報を入手し、その情報をもとに気になる点などをまとめて準備をしておくと安心です。
当日の持ち物
当日の持ち物は、見学時の服装によっても異なるため、先方からの指示がない場合には必ず服装の確認をしておきましょう。ケーシーに着替えて見学をする場合は、靴や靴下を忘れてしまう人がいるので忘れないように注意してください。
1日見学をさせてもらう場合は、昼食についても確認し準備をしておくと安心です。休み時間が短い場合もあるので、予め購入しておくと良いでしょう。
また、当日はメモ帳も持参し、事前に聞きたいことをメモして返答を記載したり見学の中で気になることを書き留めたり、見学内容を振り返りやすいようにしましょう。
ただし個人情報の記載には注意が必要なため、患者様に関わることはメモをして良いか、またはどの範囲までなら良いかなど見学時に確認することも忘れないよう注意が必要です。
3.施設見学の流れ
それでは、施設見学をする際の流れについて詳しく確認していきましょう。
見学先を選び連絡をする
まずは数ある施設の中から見学する施設を選ぶところから始めます。自分自身がどのような分野で働きたいか改めて考え、希望する施設を絞りましょう。
最近は多くの施設で見学受け入れをしていますが、コロナ禍により見学様式が変わってきているためホームページなどで見学受け入れの有無を確認してから連絡します。
もし希望する施設が見学受け入れをしていない場合は、希望する分野に近い施設を探して見学をすると良いでしょう。希望する施設と異なる施設であっても、実際のリハビリテーションを見学する中で新たな気づきを得ることが期待できます。
見学する施設が決まったら、ホームページなどの指示に従い申し込みを行いますが、電話連絡をする場合は、就業時間は避けた時間(施設によっても異なりますが8時30分頃か17時30分頃など就業時間前後)だとスタッフも対応しやすいでしょう。
電話をかける際は予め確認しておきたいことをまとめておき、改めて電話をかけなおすことがないよう必ずメモを取りながら確認するようにしてください。
当日のスケジュールイメージ
まずは余裕をもって施設へ到着できるように向かいましょう。
多くの場合、担当するスタッフが決まっており、そのスタッフの指示に従い見学を行います。
1日の流れの説明とともに、業務内容やリハビリテーション室の設備などを説明してから、実際にリハビリテーションを見学させてもらうケースが多いかと思います。
一通り見学が終わった後に質疑応答などの時間を設けることがあるので、見学中に聞けなかったことや就職について気になることを聞くことも可能です。
見学後のお礼も忘れずに
見学でお世話になった施設には、後日お礼の連絡をしましょう。
電話や直接訪問してのお礼は業務の邪魔をしてしまう恐れがあるため、手紙やメールを送り感謝の気持ちを伝える方が安心です。
内容としては、時間を割いていただいたことへのお礼とともに、学んだことや気づきなどを記載します。
見学先への就職を希望する場合はその旨も伝えておくと、一般募集に先駆けて連絡をもらえる可能性もあるかもしれません。
ここでも良い印象を残せるよう、言葉遣いや誤字脱字がないよう確認を怠らないように注意しましょう。
4.まとめ
求人情報だけでは分からない空気感を知ることができる施設見学。
あくまでも施設見学ではありますが、良い印象を残しておくことで就職時に有利になるケースもあるため、こちらも見られていると思って見学をさせてもらうことが大切です。
何より、見学対応のために時間を割いてくれているスタッフや、見学を了承してくれる患者さんや利用者さんへの感謝を忘れずに、見学時間を有意義に過ごせるよう準備をしましょう。
得られるものも多いので、迷っている人はぜひ気になる施設の見学をしてみてはいかがでしょうか。
PTOT人材バンクでは無料の転職サポートも行っていますので、見学希望の方もお気軽に相談してみてください!
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