理学療法士(PT)として働くためには、養成校を卒業し、国家試験に合格することはもちろんですが、併せて就職活動を成功させなければなりません。

現在養成校に通っている方の中には「就職活動って何をすればいいんだろう」「希望の職場に就職できるだろうか」といった不安な気持ちを持っている方もいるかもしれません。職場によっては募集枠が少なく、競争率が高いところもあります。

今回はそのような状況の中で、就職活動に取り組んでいく際のポイントや注意点について紹介していきます。

1.理学療法士(PT)の就活事情

近年、PTの活躍の場は少しずつ広がってきていますが、就職先として最も多いのは病院やクリニックなどの医療施設になります。

日本理学療法士協会の統計情報によると、2021年3月時点で、総会員の約65%が医療施設に勤務しています。

それ以外の就職先としては、老人保健施設やデイケア・デイサービスなどの福祉施設、訪問看護ステーション、大学や専門学校などの教育研究施設、市役所など行政関連施設、また、数は少ないですが一般企業などが挙げられます。

それぞれの職場でPTに求められる働き方は異なってきますので、自分のキャリアプランをしっかり考えて就職先を選択する必要がでてきます。自分がどのようなPTになりたいかを考えるとイメージしやすいかもしれません。

ただ、自分が希望する就職先の人員に空きがあり、公募があるか、また採用されるかといったことも考慮しないといけないので、しっかりと準備を行わなければなりません。

2.就職活動の開始時期や準備しておきたいこと

理学離療法士(PT)の就職活動はいつから始めたら良いのか、また、就職活動を行うにあたって準備が必要なことについて疑問を持っている方もいるかと思います。こちらの章ではこれらの点について一緒に見ていきましょう。

就職活動は実習終了後から本格スタート

PTの養成校では最終学年の7月〜8月まで臨床実習が行われていることが一般的ですので、本格的な就職活動は実習終了後が多いでしょう。

しかし、一部の就職先では実習期間の最中に公募が行われることもあるため、希望の就職先がある場合は最終学年になる前から情報収集を始め、公募の締め切りを見逃さないようにチェックをしておくことをおすすめします。

就活時に準備しておきたいこと

就職活動を始める際、まずは自分の意思をしっかり確認しましょう。どういった病院・施設で働きたいか、どんな働き方をしたいか。漠然とでも良いのでイメージを持ちましょう。

イメージが大体固まったら情報収集を行います。今はインターネットでいくらでも情報を集められるので、できるだけ多くの情報に触れておきましょう。

もし希望する就職先に学校の先輩など在籍していたら直接話を聞くのもおすすめです。

また、必要なものについても事前に準備しておきましょう。リクルートスーツや靴、鞄などは就職活動に相応しいものを揃えるようにし、履歴書の記載方法などもチェックしておくと良いと思います。

3.理学療法士(PT)の就職先について

本記事の冒頭でも記載しましたが、近年PTの働き方にも多様性が見られるようになってきました。

それでも、6割以上のPTが医療施設で勤務していることからも、病院やクリニックなどが
まだまだ中心的な活躍の場であることがわかります。

同じように、初めての就職先としては総合病院やクリニックなどの医療施設が多くなってきます。これは、多くの学生が医療施設での実習を経験するため、就職先としてイメージしやすいことが理由としてあげられると思います。

また、総合病院などであれば様々な患者さんを担当する機会を得ることができ、その経験を通して理学療法士としての知識や技術を磨くことができる可能性が高く、自身のキャリアの幅を広げることに繋がりやすのもあるかもしれません。

4.理学療法士(PT)が知っておきたい就活時のポイント

最後にPTとしての就職活動を行うにあたって押さえておきたいポイントを紹介していきます。

自身のキャリアプランを考えて応募先は吟味する

新卒で最初の勤務先の経験は、自身のPTとしての人生に大きな影響を与えます。そのため、就職活動を始める前からしっかりと自身のキャリアプランについて考え、どのような職場で働きたいかを吟味する必要がでてきます。

また養成校によっては多施設への併願を禁止している場合があります。これは内定辞退による施設と養成校の関係の悪化や後輩への悪影響の防止、多くの学生に採用のチャンスを与えたいといった様々な事情が加味されています。

そのため、「絶対にここで働きたい」といったところを就職先として選択することが望ましいです。

公募の締め切りを厳守する

第2章でも少し触れましたが、病院や施設によっては公募の締め切りが実習期間中に設定されていることもあります。希望する就職先の募集時期についてはこまめにチェックしておきましょう。

場合によっては実習期間中に必要書類の準備や施設見学、面接などに赴かなければなりません。あらかじめ養成校の教員や実習先にその旨を伝えておき、余裕を持って準備ができるようにしておけば安心ですね。

応募先の採用試験や面接の対策をしっかり行う

就職活動で避けて通れないのが面接です。面接以外の試験で手応えを感じても、面接の結果で不採用になることもあります。特に、最近は面接でしっかりと人物像を見極めたいという考えの施設も多いため、十分に対策を練る必要があります。

基本的な身だしなみや言葉遣いはもちろん、「この施設で働きたい」という熱意を自分の言葉で伝えられることが重要になってきます。

不安な場合は養成校の先生にお願いして、繰り返し練習を行ってもらうと良いでしょう。また、面接だけでなく、その他の試験についても下調べを忘れないようにしましょう。

理学療法の知識を問われるだけでなく、小論文などを課されることもあるためしっかりと内容をチェックしておきましょう。

病院見学を行う場合はマナーをしっかり守る

就職先を検討する上で、見学をして実際の現場を見ておくのも良い情報収集になります。書面やインターネットの情報ではわからない職場や働いているスタッフの雰囲気を知ることができるからです。

ただ、施設側も見学にくる学生のことをチェックしているということを忘れてはいけません。その日の印象が就職試験や面接の際も残ってしまうことになります。そのため、見学を行う際はマナーを守ることが重要です。

見学を希望する場合は、日程に余裕をもって施設側の指定する方法で申し込み手続きを行うことはもちろん、施設について事前に情報を収集し、質問したい内容を準備しておくことをおすすめします。

服装は特に指定がない場合にはリクルートスーツが無難です。見学中は、丁寧な言葉遣いと真摯な態度を保ち、積極的にメモを取ったり質問をしたりすると好印象です。そして、見学終了後には忘れずに感謝の意を伝えましょう。

5.まとめ

今回は理学療法士(PT)の就職活動で押さえておくべきポイントや注意点について紹介してきました。

見学や必要書類の準備、面談対策などやらなければいけないことは多いですが、余裕を持って一つずつ丁寧に確認していけば大丈夫です。

PTとしての人生を歩み始める場所ですから、せっかくなら自分が希望する職場で良いスタートを切りたいですよね。この記事が皆さんの良い就職活動につながるきっかけとなれば幸いです。

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【参照サイトU R L】
日本理学療法士協会 統計