理学療法士(PT)として将来のキャリアを見据えた時に、海外への留学を選択肢の一つとして考える方もいるのではないでしょうか。

ただ、海外留学となると、どのように手続きを進めて良いかわからない、環境も大きく変わるし中々一歩を踏み出せない、といった気持ちを持つこともあると思います。

今回は、そんな方々のために、PTの海外留学事情について紹介していきます。

1.理学療法士(PT)が留学するきっかけと意義

まずは、PTがどのようなきっかけや目的を持って海外留学を考えるのかについてみていきましょう。

留学するきっかけ

PTが留学を意識するきっかけとしては、色々な場面が想定されます。研究をしていて海外の論文に目を通したとき、学会やセミナーで他国のPTと話す機会を得たとき、ボランティアなどで海外に滞在したとき、人によって様々だと思います。

ただ、共通の目的としては海外の理学療法を知ることでPTとしての経験を積み自身のキャリアアップを図ることや、大学院への進学のためということにつながってくると思います。

留学する意義

PTが海外へ留学する意義はいくつか挙げられますが「技術や知識の取得」、「研究者としての研鑽」というところが大きいと思います。

日本以外の国のほとんどのPTは開業権を持っており、患者さんがPTのクリニックを直接訪れることができます。PTは自身で診断や評価を行い、治療方針を決めることができます。そのため、一般市民のPTという職業への認知度も高くなっています。

海外の患者さんは成果主義である方が大多数なので、結果が出なければすぐに違うクリニックへ流れてしまいます。そうした背景もあり、PTとしても得意分野や強みがはっきりしており、それぞれの分野に特化した治療技術やテクニックなどに精通していることが多いです。

そうした事情から、日本人PTが自身の強みとして何らかの技術やテクニックを学びたい場合は海外に出た方がより深く学べる可能性が高く、その習得を目的として、海外留学は意義のあることになってきます。多くの場合は、病院や教育期間が開催している研修・コースなどに参加する形になります。

また、欧米諸国では研究活動も盛んに行われており、それぞれの分野における著名な研究者も数多く存在しています。卒前教育の段階で研究に触れる機会も多く、学部生たちの批判的・論理的思考力も養われています。

このような環境で研究活動に専念することで、研究者として質の高い経験を積むことができます。修士号や博士号を習得するために海外留学を選択することも、大いに意義のあることになります。

2.留学先を選ぶ際のポイント

それでは、どのように留学先を決定していけば良いかみていきましょう。

目的とキャリアプランを明確にする

自分は何のために留学をしたいのか、何を得たいのか、留学後は何を目指すのか、など自身の留学の目的をはっきりさせておきましょう。

留学には多くの時間や費用を要しますので、明確な目的がないまま留学をしてしまうと、貴重な時間を無駄にしてしまう可能性もあります。まずは、自分で留学して実現したいことを明確にしておきましょう。

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しっかりと情報収集する

目的が決まったら情報収集です。まずは留学経験者に直接話を聞いたり、関係のある大学や教育機関の教授などに相談したりするのも良いと思います。また、留学エージェントを利用するのも一つでしょう。

ある程度留学先の候補が絞れてきたら、それぞれの留学先についての細かい情報を公式サイトなどで確認していきましょう。留学生として受け入れてくれる条件が記載してあると思います。

この時に、しっかりと情報を把握しておかないと、いざ留学が決まった時に条件を満たしていなかったり、行ってみたら自身の目的とズレていたということが起こることがあります。

こういったことを防ぐため、事前にしっかりと情報収集することが重要となってきます。

費用を比較する

自身の目的を達成できそうな留学先が複数あった場合は、コストを比較してみるのも重要です。

留学先での学費や研修費はもちろん、国によってかかってくる生活費も大きく異なってきます。必要な費用とはいえ、決して安くはない金額になります。気になる方はしっかりチェックしておきましょう。

3.理学療法士(PT)が留学する際に必要な準備物

留学の準備としては主に必要書類、語学力、費用が挙げられます。最後に、これらの点について一緒にみていきましょう。

必要書類や手続き

留学に先立って、受験が必要な場合はその手続きが必要です。取得単位の状況を確認する成績証明などは、卒業した教育機関から直接取り寄せないといけません。

また、留学先に滞在するためにビザなどが必要な場合は手にするために時間がかかる場合があるので、余裕を持って準備をしましょう。

PTとして勤務しながら学ぶことができる留学先もあります。この場合は免許の書き換えが必要なので、手続きに要する条件などを確認しておくことも重要です。

語学力

海外に留学する際、ほとんどの場合は英語でのコミュニケーション能力が求められます。必要となってくる英語レベルは留学先によって異なりますが、TOEFLやIELTSで高いスコアをマークしておくと安心でしょう。

日本理学療法士協会の国際活動で活躍したい方というページで海外留学者の経験談が読めるため、こちらを確認していただくと、ある程度のイメージが掴めると思います。

英語力は高いに越したことはないですが、言葉はあくまでも意思疎通のツールでしかありません。重要なのは自分の考えや意見をしっかりと持ち、伝えることです。留学中は英語が下手でも良いので、積極的に発言するように心がけてみましょう。

留学費用

職場や研究・教育機関から派遣されるといった場合や現地で働きながら学ぶといった場合以外は、留学費用は個人負担になることがほとんどです。大学院に進学する場合は学費だけで数百万円以上することもあります。

その他、渡航費や生活費なども考えるとあらかじめまとまった金額を準備しておかなければなりません。留学を検討している場合は、必要な金額を確認し、余裕を持って資金計画を練る必要があります。

日本学生支援機構(JASSO)など、海外留学を支援している公的機関もあります。自身の留学を支援してくれる制度がないか探してみるのも良いでしょう。

4.まとめ

今回は理学療法士(PT)が海外留学をする際の留学先の選び方や準備の進め方、必要な手続きなどについて紹介してきました。

海外留学を経験すると、他のPTと差をつけることもできますし、キャリアアップにも有利に働きますし、修士号や博士号を取得すれば、研究機関で働きたい時にも役立ちます。

海外留学を考えている方は、ぜひ自身にあった機関を見つけて挑戦してみてください。

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【参照サイトU R L】
日本理学療法士協会 国際活動で活躍したい方
日本学生支援機構(JASSO)