近年では理学療法士(PT)の活躍の場が広がってきており、これまで一般的であった医療機関だけでなく、様々な現場で働くことが可能となってきています。

スポーツメーカーもそのうちの一つであり、プロアマ問わず、スポーツに関連する製品開発などの場面において、体の動きのスペシャリストであるPTが携わることも増えてきているようです。

今回は、PTがスポーツメーカーで働くことについて紹介させていただきます。

1.理学療法士(PT)がスポーツメーカーで働くには

まずはどのような現場に関わりたいのかを考えましょう。

メーカーによって、提供している製品やサービスも異なってきます。また、自分が携わりたいのは、製品の開発なのか、営業職として専門的な視点から製品を売り出したいのか、会社での役割によって働き方も異なってきます。

自分の働き方に対する考えを明確にして、メーカーを探すようにしましょう。スポーツメーカーは一般企業であることがほとんどです。PTとしての採用枠は限られてくるかもしれませんが、一般職員としての採用でPT資格を持っている方を優遇する求人案件も見られるため、気になる企業があれば、こまめにチェックしてみてください。

2.スポーツメーカーでの仕事内容と求められる役割

それでは、スポーツメーカーで働く場合はどのような働き方や役割を求められるのかをみていきましょう。

スポーツメーカーにおける理学療法士(PT)の仕事内容

スポーツメーカーは運動や健康、スポーツに関する製品の開発や改良、販売のための営業、またはスポーツに関連するサービスの提供などになってきます。そのため、一般的なPTとしてのリハビリ業務に携わる可能性はほとんどないと言えます。

他の社員と同じように、これらの業務を行うことが主な仕事になってきますが、より専門的な視点に基づいて、新製品のアイディアを出したり取引先との商談に臨んだりといった業務に就くこともあるかもしれません。

スポーツメーカーで求められる役割

仕事内容でも紹介した通り、企業の目標は良い製品・サービスを開発・提供し利益を上げることにあります。その目標を達成するために社員たちはそれぞれの役割を果たさなければなりません。

企業や部署によって業務の内容は多岐にわたりますが、PTであっても課せられた業務を遂行するための知識や能力が求められることになります。

営業力や自社の製品の良さをプレゼンする能力は言うまでもなく、様々な人とやりとりをする機会も多くなるので、コミュニケーション力なども必要となってくる場合もあります。

また、製品開発に関わる際には、様々な知見を製品に反映させるための情報収集能力や、良いものができるまで試行錯誤を繰り返すための研究能力なども必要となってくるかもしれません。

3.スポーツメーカーでの勤務を検討している方へ

最後に、今後スポーツメーカーで勤務をしてみたいと思っている方へメリットや注意点をご紹介します。

スポーツメーカーで働くメリット

臨床現場でなく、スポーツメーカーなどの企業で働くメリットとしては、病院勤務では経験できないような業務に携われたり、知識や能力を身につけたりできることが挙げられます。

一般的な病院で働いていると、営業や商談などを経験することはないでしょうし、製品の開発といったところに関わることもないと思います。

そのような能力は、再度臨床現場に戻ろうと考えた際に、コミュニケーション能力や患者さんの動機付けなどといったところに生かすことができるでしょう。

その他のメリットとして、病院などで働くよりも高い年収が見込めるといったことも挙げられます。自社製品やサービスの売り上げが好調であれば、それだけ賞与額も増えますし、自身の能力が企業に貢献していると捉えられればインセンティブなども得られるかもしれません。

スポーツメーカーで働く際の注意点

一方で、スポーツメーカーなどの企業で働く際に留意しておかなければならないこともあります。

例えば、PTとしての求人数はそれほど多くないため、倍率が高くなり狭き門となってしまいます。そうなった時に、自分をどのように企業に売り込むかといったことを考えなければなりません。

PTとしての知識や技術以外に、どのような観点から企業に対して貢献できるかといったことをしっかりと把握してアピールできることが必要です。ただ単にPTとしての経験を伝えるだけでは、採用を勝ち取るのは難しいかもしれないということに留意しておかなければなりません。

常に新しいことにチャレンジしながら、しっかりと成果を出すことが求められる場合もあるため、企業で生き残っていくためには、相応の努力をしなければならなくなってきます。

時には肉体的にも精神的にも負荷がかかる時もあるかもしれませんので、ゆっくり安定した職場環境を求めたい方には不向きかもしれません。

4.まとめ

今回は理学療法士(PT)がスポーツメーカーで働く際の働き方やメリット、注意点などについて紹介させていただきました。

PTとしての知識や知見を仕事に活かせる反面、一般的なPTの働き方とは大きく異なってくるため、留意する必要があることもいくつかありますが、働くことで得られるものも大きいので興味のある方はぜひチャレンジされてみてください。

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