「理学療法士(PT)の資格を取得したいけど、もっと専門性を磨きたい!」「別の資格も取得してキャリアアップを目指したい!」という方も多いのではないでしょうか。

特定の資格の中には取得することで給与がアップしたり、転職を検討する際に有利に働いたりするものもいくつかあるため、専門性を高めるだけでなくキャリアアップにも有用な場合があります。

今回は、PTが取得できる専門性を高める資格や転職や開業の際に役立つ資格など全17種類の資格について解説していきます。

ぜひ、この記事を参考にPTとしてのキャリア構築の参考にしてみてください。

1.特定の症例に対する専門性を高める

まずは、理学療法士(PT)が特定の疾患に対する専門性を高めるのにおすすめの資格をみていきましょう。

心臓リハビリテーション指導士

心臓リハビリテーション指導士とは、医師などと協力しながら心臓疾患などの循環器疾患の再発予防を目的に運動療法だけではなく、禁煙指導や食事指導などを専門的に行います。

この資格を有していることにより、循環器病棟でPTとしての知見も合わせて具体的な生活指導が行えます。

心臓リハビリテーション指導士は、特定営利活動法人日本心臓リハビリテーション学会主催の試験に合格することで取得できます。
受験資格は、以下4つの条件を全て満たしていることが必要です。

  1. .本委員会主催の講習会を当該年度に受講していること。
  2. .理学療法士、作業療法士の資格を有していること。
  3. .申請時に本学会会員であり、申請時の直近2年以上継続して会員履歴があること。
  4. .心臓リハビリ指導の実地経験が1年以上であること、または心臓リハビリ研修制度により受講資格認定証の交付を受けていること。

3学会合同呼吸療法認定士

3学会合同呼吸療法認定士とは、日本胸部外科学会、日本呼吸器学会、日本麻酔科学会の3つの学会が合同で創設した認定資格になります。

この認定資格は重症患者の全身管理の一つの柱である呼吸療法(吸入療法、酸素療法、呼吸理学療法、人工呼吸器の管理)に精通した知識があると認められた者に与えられるものです。

PTが呼吸療法認定士の資格を取得すると、呼吸療法の専門家として医療チームの一員になれます。

具体的な例を示すと、医療機関によっては「人工呼吸サポートチーム」と言って、人工呼吸器を装着した患者さんの呼吸管理を担う多職種で構成されたチームの一員として、患者様が早期に人工呼吸器を離脱できるように、またはより良い呼吸管理ができるように呼吸理学療法を任されるケースが増えてきます。

またCOPDや神経難病などで継続的な呼吸理学療法が必要な患者様の理学療法を担当する機会も増え、患者様のADL(日常生活動作)及びQOL(生活の質)向上に貢献できるでしょう。

呼吸療法士の資格取得方法は、3学会合同呼吸療法認定士認定試験に合格することです。

受験資格は、以下2つの条件を満たす必要があります。

  1. .理学療法士・作業療法士の免許取得からを2年以上経過している。
  2. .認定委員会が認める学会や講習会に参加している。

認知症ケア専門士

認知症ケア専門士とは、認知症に関わる職種の自己研鑽や生涯学習のきっかけとなるように設けられた更新制の資格です。認知症への専門的な知識が身につき、認知症の患者様へのリハビリに大きく役立つことが期待されています。介護老人保健施設など、高齢者の方を担当する機会の多いPTには特におすすめです。

2022年に厚生労働省から発表された資料によると、2025年には本邦における認知症の有病率が19-20%になると試算されており、65歳以上の人口の5人に1人が認知症を有しているという状態が予測されています。

このような背景もあり、認知症ケア専門士の資格は今後も需要が高まってくる可能性が高く、仕事以外の場面でもその知識を活かすことができるかもしれません。

認知症ケア専門士の資格取得方法は、一般社団法人日本認知症ケア学会認定の試験に合格することです。受験資格は、施設や団体、機関等において3年以上の認知症ケアの実務経験を有する者とされています。

つまり、施設や病院などで3年以上勤務をしていれば受験資格は得ていることになります。

認知症ケア上級専門士

認知症ケア専門士の上位資格にあたる認知症ケア上級専門士とは、ケアチームにおけるリーダーや地域のアドバイザーとして活躍できる専門士の養成を目的に創設されています。

認知症ケアに関する専門的な知識を自身の経験や科学的根拠に基づいて説明でき、患者様のみならず新人のケアワーカーや専門士などの指導といった形で還元することが求められます。

資格を取得するためには、認知症ケア専門士同様、一般社団法人日本認知症ケア学会認定の試験に合格することが必要となり受験資格は以下の通りとなっています。

①認知症ケア専門士としての経験が3年以上あること
②受験予定年度末までに認知症ケア専門士の単位を30単位以上取得していること
③認知症ケア上級専門士研修会を修了していること
④次のいずれか1つを満たしていること
a. 認知症ケア上級専門士制度規則にある学術集会、地域部会研修会等での演題発表並びに事例報告(筆頭のみ)
b. 認知症ケア上級専門士制度規則にある、査読制度のある機関誌等での論文・事例発表(筆頭者のみ)

専門士に比べると受験資格は厳しめに設定されているようですね。

日本糖尿病療養指導士

日本糖尿病療養指導士とは、糖尿病治療の要とも言える食事や運動などの自己管理を患者様に指導する専門員となれる資格です。

日本糖尿病療養指導士の資格を有していることで、リハビリの場面でより具体的な生活指導が行えたり、効果的な運動療法の提供が可能となったりします。

5年ごとの更新制となっており、資格取得方法は日本糖尿病療養指導士認定機構の試験に合格することです。

受験資格は、以下の2点を満たしている必要があります。

  1. .理学療法士の免許を有している。
  2. .講習会に参加し修了証を得る。

近年では地域糖尿病療養指導士という資格を都道府県レベルで付与する制度も誕生しています。

地域における幅広い糖尿病療養指導・教育啓発活動や、医療連携を推進するために受験できる専門職の門戸を広げる形をとっており、日本糖尿病療養指導士と比べると資格取得や更新が容易となっているようです。

こちらの資格については全ての都道府県で認定試験を実施しているものではなく、受験資格も都道府県によって差異があるため、受験を検討する場合はお住まいの都道府県の情報を日本糖尿病協会のHP調べてみることをおすすめします。

公益社団法人 日本糖尿病協会

2.リハビリの幅を広げる資格

こちらの章では理学療法士(PT)のリハビリの幅を広げてくれる資格6つを確認していきます。ぜひ自分に合った資格を見つけて取得の参考にしてみてください。

健康運動指導士

健康運動指導士とは、保健医療関係者と協力して生活習慣病などを予防するために適切な運動の指導・計画を行います。

この資格を有していれば、自分が勤務する病院や施設以外でも町内会などの健康教室に参加し、PTとしての知見を活かしながら地域住民の健康増進を目的とした運動を指導できるようになります。

健康運動指導士の資格取得方法は、健康運動指導士養成講習会を受講するか、健康運動指導士養成校の養成講座を修了した後、健康運動指導士認定試験に合格する必要があります。 

栄養サポートチーム専門療法士

栄養サポートチーム専門療法士とは、NST専門療法士とも呼ばれ、静脈栄養や経腸栄養を用いた臨床栄養学に関する優れた知識と技能を有している専門療法士です。

栄養サポートチーム専門療法士の資格を有していると、低栄養状態の患者様に対する栄養管理にPTとして関わることができます。また、リハビリを行う観点から栄養摂取のタイミングなどについてもアドバイスができるようになるため、リハビリの効果を高めることにも貢献できるでしょう。

栄養サポートチーム専門療法士の資格取得方法は、NST専門療法士認定試験に合格することです。

受験資格は、以下の4点を全て満たしている必要があります。

  1. .理学療法士・言語聴覚士・作業療法士いずれかの資格を有していること。
  2. .上記資格で5年以上、医療・福祉施設に勤務し、当該施設で栄養サポートに関する業務経験があること。
  3. .日本静脈経腸栄養学会主催のセミナーや、講習会に参加し規定数以上の単位を取得していること。
  4. .認定教育施設において、合計40時間の実地修練を修了していること。

義肢装具士

義肢装具士は、医師の指示のもと義肢装具の装着部位の採型や義肢装具の作成及び身体への適合を行います。

義肢装具士の資格を有していれば、リハビリの場面で義肢装具を使用している患者様に対して義肢装具が最適かを評価できたり具体的な使用方法を指導できたりします。

つまり、義肢装具を使用する患者様のニーズをより理解できるセラピストになれるのです。

義肢装具士の資格を取得するためには、義肢装具士の養成校を卒業した後、義肢装具士国家試験に合格する必要があります。 

福祉住環境コーディネーター

福祉住環境コーディネーターは、障害者や高齢者がより自宅により住みやすくなるように住宅改修のアドバイスや福祉用具のレンタル・設置などの提案を行う専門職です。

福祉住環境コーディネーターの資格を有していれば、在宅復帰される患者様の在宅復帰指導時に自宅内の評価や必要な福祉用具のアドバイスが行えます。

また、運動療法を行う際にどのような福祉用具が最適なのかを評価しながら、住環境を想定した具体的なリハビリテーションを提供できるようになります。

福祉住環境コーディネーターの資格取得方法は、福祉住環境コーディネーター検定試験に合格することです。こちらの資格は東京商工会議所が認定する民間資格であり、特に受験資格は設けられていません。

3級〜1級まであり、3・2級については試験の難易度もそれほど高くないようなので、勉強して自信がついた段階で受験してみると良いでしょう。1級は合格率が10%程度と難易度がかなり上がりますが、在宅領域で働いている場合はチャレンジしてみる価値はあると思います。

介護支援専門員

介護支援専門員は、ケアマネージャーとも呼ばれ介護保険の根幹であるケアマネジメントの作成を行います。他にも介護保険を受給する方と行政との間に入り、円滑に介護保険サービス導入の手続きを行います。

介護支援専門員の資格を有していれば、リハビリ中に患者様の介護保険に関する相談に具体的に対応できたり、他職種への情報共有を積極的に行えたりします。

介護支援専門員の資格取得方法は、介護支援専門員実務研修受講試験に合格する必要があります。

受験資格は、理学療法士や作業療法士などの規定の国家資格等に基づく業務、もしくは、生活相談員・支援相談員・相談支援員・主任相談支援の業務を通算して5年以上かつ900日以上従事したものに与えられます。 

シーティング・コンサルタント

シーティング・コンサルタントは、椅子や車椅子を使用する方に対して適切な座り方(シーティング)を専門的な知識や技術を用いて指導する専門家です。

シーティング・コンサルタントの資格を有していれば、褥瘡予防や姿勢アライメントの修正など理学療法場面以外でも知識と技術を活用できます。

シーティング・コンサルタントの資格取得方法は、日本シーティングコンサルタント協会が開催する講習会で規定のコースを修了することが必要です。

3.スポーツ系のサポートをしたい方におすすめの資格

理学療法士(PT)の活躍の場は、病院や施設だけではなくスポーツ分野にもあります。そこで、「スポーツ系のサポートをしたい」「スポーツが好き」というPTがスポーツの現場で活躍できる資格を4つ紹介していきます。

JSPO-AT

JSPO-ATは、日本スポーツ協会公認のアスレティックトレーナーの略称で、日本スポーツ協会公認スポーツドクターやコーチと協力しながら選手の身体機能面の維持、怪我に対するリハビリテーションを提供します。

つまり、スポーツ業界専属のPTといえるのです。

JSPO-ATの資格取得方法は、日本スポーツ協会の養成講習会を受講するか、適応コース承認校を卒業した後に検定試験に合格する必要があります。 

JATAC-ATC

JATAC-ATCは、ジャパン・アスレティック・トレーナーの略称で、様々なスポーツを医療的かつ予防的な視点からサポートする専門職です。

JATAC-ATCの資格を有していれば、スポーツの特性を理解した上で理学療法を提供し、選手の怪我の予防に努められます。

先述した、JSPO-ATよりも「予防」に注力したPTと言えるでしょう。

JATAC-ATCの資格取得条件は、PTなどの国家資格を有し、JATACの講習会を受講、通信教育講座でスポーツ科学分野の単位を取得することです。

NESTA-PFT

NESTA-PFTは、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会のパーソナルフィットネストレーナーの略称で、国際的に信頼度の高いフィットネストレーナーに与えられる資格です。

NESTA-PFTの資格を有することで、フィットネストレーニングの要素を織り混ぜたリハビリを患者様に提供できるようになるだけでなく、フィットネスジムなどで専属トレーナーとして活躍することも可能です。

NESTA-PFTの資格取得方法は、PET認定試験に合格する必要があります。
受験資格には、1年以上のパーソナルトレーナー・インストラクターなどの実務経験があるなど、いくつかの要件を満たしている必要があります。 

NSCA-CPT

NSCA-CPTは、「National Strength and Conditioning Association」認定のパーソナルトレーナーの略称で、アスリートだけではなく様々な人へ運動の動機付けや教育、トレーニング指導を行う世界的にも認められた専門家です。

NSCA-CPTの資格を有していれば、アスリートやスポーツをする多くの方へ、より効果的な運動療法の動機付けが可能となり、適切な運動指導・実施ができるようになります。

NSCA-CPTの資格取得方法は、NSCA-CPT試験に合格する必要があります。

受験資格は、有効なCPR(心肺蘇生法)やAEDの認定者であるなど、いくつかの要件を満たしている必要があります。 

4.民間ではないが開業に役立つ国家資格

理学療法士(PT)として、培った技術や知識を活かして独立したいという目標を持っている方もいるのではないでしょうか。

日本ではPTとして開業して理学療法を提供することは難しいですが、整体院などを開業することは可能です。この章ではその様な際に役立つ国家資格3つをご紹介します。

柔道整復師

柔道整復師は、骨・関節・筋肉・腱・靭帯などの障害によって引き起こされる骨折や打撲、捻挫、挫傷などの障害を非観血療法(手術を用いない)で治療する専門職です。

柔道整復師の資格を有していればPTの免許を使用しての開業権がないセラピストでも自由に開業できます。

そして、PTとして培ったスキルや知識も最大限に活かした活動が行えるようになるのです。

柔道整復師の資格取得条件は、柔道整復師養成校を卒業した後に柔道整復師国家試験に合格する必要があります。

あん摩マッサージ指圧師

あん摩マッサージ指圧師は、あん摩・マッサージ・指圧の3種類の手技を用いて患者様の身体的不調を改善する専門職です。

理学療法士や作業療法士が勉強する西洋医学とは異なり、東洋医学の知識をもとに施術を行います。そして、あん摩マッサージ指圧師の資格を有していれば、開業ができるようになるのです。

そのため、現在PTで開業を検討している方などは、あん摩マッサージ指圧師の資格を取ってみるのも良いでしょう。

あん摩マッサージ指圧師の資格取得方法は、養成学校を卒業した後、あん摩マッサージ指圧師国家試験に合格する必要があります。

鍼灸師

鍼灸師は、東洋医学に基づいて「はり」や「きゅう」で身体のツボを刺激し身体機能の自然治癒力を高める専門職です。

鍼灸師の資格を有しているとPTでも開業が可能なので、将来的に開業を目指したい場合には、鍼灸師の資格を取得してみるのも良いでしょう。

鍼灸師の資格取得方法は、養成校を卒業後、はり師・きゅう師国家試験に合格することです。 

5.登録理学療法士・認定理学療法士・専門理学療法士について

2022年4月より日本理学療法士協会が運用する生涯学習制度が刷新され、登録理学療法士・認定理学療法士・専門理学療法士という認証資格が設定されました。

これらの資格はここまでの章で紹介してきた民間資格やその他の国家資格とは異なり、日本理学療法士協会によって提示された条件を満たし、承認されることで得られる資格になります。

認定理学療法士と専門理学療法士は理学療法における特定の分野で臨床的または学術的に秀でた理学療法士として認められた証でもあるため、取得には時間も労力もかかりますが、取得できた際には自身の専門分野に関して相当の知識と技術を得ることができると思います。

専門性を極めたい場合は取得を目指すと良いでしょう。詳細について以下の記事で紹介していますので、興味がある方は参考にしてください。

6.資格の難易度

こちらの章ではこれまで紹介してきたいくつかの資格を取得難易度別に簡単に分類してみようと思います。

複数の資格を取得したい方はどの資格の取得から目指すのか検討する際に参考にしてみてください。

比較的チャレンジしやすい資格

福祉住環境コーディネーターやシーティング・コンサルタントは経験年数が浅くても自己学習の進捗次第では手が届きやすい資格ではないでしょうか。

働いている環境によっては学んだことがすぐに実践できる資格でもあり、PTの仕事に活かすために早めに取得を目指してみるのも良いと思います。

健康運動指導士も介護保険領域で勤務をしているPTにとってはチャレンジしやすい資格であり、その後の仕事にも活かすことができるでしょう。

専門的なところで見ると、3学会合同呼吸療法認定士も経験年数が長くなくても受験要件を満たしやすく、PTの合格率も60%前後を推移しているため、比較的取得しやすいのではないかと思います。

難易度が高い資格

心臓リハビリテーション指導士と日本糖尿病療養指導士の資格については取得難易度が高いことが知られています。

それぞれの毎年の試験結果をみてみると、理学療法士の合格率は比較的高いことがわかりますが、問題の難易度が高く、合格者はかなりの勉強時間を確保しているようです。

特に、心臓リハビリテーション指導士は受験資格を得るまでが大変であり、10症例のレポートを提出する必要があり、受験するまでにもかなりの努力が必要になってきます。

スポーツ系の資格についても、たくさんの講習会を受講したり、実務経験が必要だったりするため、取得には時間とお金がかかります。また、資格によっては関連団体の推薦状が必要となることもあり、難易度は高めであると言えるでしょう。

7.どの資格取得をめざすか迷う方へ!おすすめの資格は?

理学療法士(PT)として働く上で働く場所を選ばず活用できるという観点から見ると、福祉住環境コーディネーターやシーティング・コンサルタントなどの資格は容易に取得でき、汎用性も高いのではないでしょうか。

シーティング・コンサルタントは小児から高齢者まで多くの対象者に適用できるためどんな職場でもその知識を活かすことができそうです。

より専門性を極めたいなら、日本理学療法士協会の定める認定理学療法士と専門理学療法士を目指してみるのが良いと思います。

8.資格取得によって給与や年収はアップするのか?

様々な業界において、多くの社会人が仕事をこなしながら資格取得にチャレンジするのは自己研鑽の意味の他に給与のアップにつながることが知られているからです。

理学療法士についても同じことが言えるのでしょうか?その答えは、正直なところ職場によって異なるというのが現状です。

私がこれまで勤務してきた職場では、今回の記事で紹介したような資格を取得したから給与が上がるというような文言が就業規則に記載されているところはありませんでした。

しかし、心臓リハビリテーション指導士と認定理学療法士を取得した他のスタッフが職場に交渉し、給与を上げてもらったという話は聞いたことがあります。

理学療法士として病院などの医療機関で勤務している場合、診療の質を向上させることに貢献できるような資格を取得した場合は給与のアップに繋がることがあるかもしれません。

9.無資格でもチャレンジできる領域について

SNSやICTの発達により、理学療法士(PT)がフリーランスとして講師業をおこなっている例を最近では見かけるようになりました。

自身が学んできたことや経験してきた分野における知識や技術をオンラインスクールや動画配信などで第三者に提供するようなビジネスモデルです。

私の知り合いでも、臨床ではなく、リハビリに特化したオンラインサロンの運営やオンライン講義を若手のセラピスト向けに行なっている方がいます。

コンテンツや講義の内容が多くのセラピストに認められ、人気が出れば年収アップやキャリアの構築といったことに繋げることが可能かもしれません。興味があれば情報を収集して挑戦してみるのも良いと思います。

10.まとめ

今回は、理学療法士(PT)のキャリアアップや転職に役立つ資格を紹介しました。

PTは一度資格を取得すると、その後の知識やスキルは自身の努力に大きく影響されてきます。そこで、今回紹介した資格取得を目標にすることで、勉強のきっかけを作ることができ、キャリアアップにもつながります。

また、リハビリテーションに役立たせられる民間資格も多く、資格によっては規定の講習を終了するだけで取得できるものも存在します。

そして、開業に役立つ国家資格もあります。国家資格は養成校を卒業し試験に合格する必要があるため、多くの時間と労力を要しますが、開業件のないPTの開業を後押ししてくれます。ぜひ、開業を目指す方は目指してみることをおすすめします。

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【参照サイト】
心臓リハビリテーション指導士制度 | JACR日本心臓リハビリテーション学会
「3学会合同呼吸療法認定士」認定制度
厚生労働省老健局認知症施策・地域介護推進課P3
国立長寿医療研究センター認知症医療介護推進会議資料(第11回)
認知症ケア専門士 公式サイト
認知症ケア専門士認定試験
日本糖尿病療養指導士認定機構
公益社団法人日本糖尿病協会
健康ネット | 健康運動指導士 健康運動実践指導者
栄養サポートチーム専門療法士認定規程 | 日本臨床栄養代謝学会
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