「転職をするならまずは自己分析を」とさまざまな業界で言われますが、理学療法士(PT)にとっても非常に大切です。
ただ、いざ自己分析をしようと思っても、どのように進めれば良いのか分からない…と悩む方は多く、私たちもよくご相談をいただきます。
そこで今回は、転職活動を始める際に知っておきたい自己分析の方法や、ポイントについてご紹介していきます。
自己分析を行うことで、これまでの経験の棚卸しができ、改めて自分自身の長所や得意分野の発見にもつながります。面接での受け答えにも通じる部分が多いので、ぜひトライしてみましょう!
目次
1.理学療法士(PT)の自己分析の進め方
PTの自己分析は、次の3ステップで進めてみましょう。
- PTとして経験したリハビリ業務を書き出す
- 書き出した仕事内容を掘り下げる
- 掘り下げた内容から自分の強みを整理する
自身の強みや性格、行ってきたリハビリの内容、仕事の進め方を改めてまとめることで、自身にあった働き方やキャリアチェンジの幅を知り、後悔しない転職につながります。
自己分析をスタートする際は、こうしたイメージを持ちながら進めていくと、頭の中も整理しやすいでしょう。
次の章から、初めての転職を例に自己分析の方法について詳しくご紹介していきます。1ステップにつき1章で解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
2.これまで経験したリハビリ業務を時系列で整理
最初のステップでは、理学療法士(PT)として自身が行ってきたリハビリの内容を時系列で整理していきます。経験したことに加え、記憶に強く残っている業務をピックアップし、他人と比べないことがポイントです。
自己分析というと、「自分は大したことをしていない。。。」とネガティブに考えてしまう方もいますが、大事なことはあなたが何をしてきたかです。良い意味で客観的に、これまでの仕事を振り返っていきましょう!
数ヶ月~半年単位で振り返る
働いていた期間が1~2年程度であれば1ヶ月程度でしょうし、5年以上働いていると半年単位でないと難しいなど、勤続年数によって振り返りやすい期間は変わってきますが、まずは思い出す期間を大雑把に設定するのがおすすめです。
入職した日から遡って、リウマチで足が動かせない患者さんを担当した、干渉波を初めて使った、自身が企画したリハビリ方針が通ったなど、初めて経験したリハビリ内容や印象に残っている仕事を書き出していきましょう。
印象に残っている仕事にはメモを残す
今までの仕事を振り返る中で、印象に残っていると感じた仕事については、その理由をメモ書きしてくと、次の掘り下げがとても楽になります。
初めて一人で担当した患者さんや症例、満面の笑みで感謝されたなどポジティブなものはもちろん、先輩に厳しくされたことや患者さんと上手く意思疎通できなかったなど、印象に残っていればネガティブなものでも大丈夫です。
3.仕事内容を掘り下げる
次のステップでは、先ほど印象に残っているとメモした仕事を通して、得られた経験やその時の思いなどをまとめていきます。
具体的な書き方とサンプルも記載していますので、合わせてご確認ください。
印象に残った理由・得られた経験・自身への影響を整理
印象に残っている業務は、「理由→経験→影響」の順番で行うとスムーズです。
まずは、印象に残っている業務の理由を書き出します。どうして印象に残っているのか、その時の思いや背景を踏まえて書くことがポイントです。
次に、その時に得たスキルや経験を言葉にしていきます。大事なことは、理学療法士(PT)としてあなたが成長したことや変化したことを言葉にしていくことですので、「この程度は誰でもできる」のように、他者と比較しないようにしましょう。
最後に、その経験が自身にもたらした影響を考えていきます。新しいスキルは、担当できる患者さんの幅が広がるということで分かりやすいですが、考え方や働き方の変化は自分でも気づかないうちに起こっていることも多いはずです。
ここは少し大変かもしれませんが、後悔しない転職のためには非常に重要ですので、できる限り整理していきましょう。
掘り下げた経験の例
先ほどご紹介した方法で、「患者さんと心を通わせることができた」と印象に残っている仕事を整理すると次のようになります。
・理由
リハビリの効果は出ていたが、Aさんと自分の間になんとなくギャップを感じていた。先輩にも相談し、機能的な部分以外で感じているAさんの気持ちを意識してリハビリに取り組んだところ、そのぎこちなさを解消することができて嬉しかった。
・スキルや経験
知識不足や経験不足は今でも感じるが、この時は必要以上に考えてしまい、患者さんの思いに寄り添うことができていなかった。頭ではわかっていたが、Aさんとリハビリを頑張る過程で、スキル以外の重要さを改めて認識することができた。
・自身への影響
今までは、患者さんの状況を中心にメモ帳にまとめていたが、このリハビリをきっかけに感情部分(表情やちょっとした雑談など)の記録も意識するようになり、患者さんとの関係が全体的に良くなった気がする。
4.転職活動用に自分の強みを整理する
自己分析の仕上げとして、最後に使いやすいようにまとめていきます。
自己分析の結果は、履歴書や職務経歴書の作成、面接、勤務先の選びなど、幅広く活用できるので、決まった形があるわけではありませんが、ここでは1つの整理方法をご紹介します。
これまで経験したリハビリや患者さん、嬉しいこと、苦手なことを整理し、これからやっていきたい仕事や働き方を書き出します。これと、先ほど作った印象に残っているリハビリメモがあれば、有意義な転職活動に臨めるはずです!
・経験した運動療法
体操
腕の上下運動
○○
・経験した物理療法
ホットパック
ウォーターベッド
○○
・経験した患者さんのステージと症状
急性期/心リハ/40代男性
回復期/整形/20代女性
○○
・働いていて嬉しいこと
患者さんにありがとうと言われる
患者さんとの会話が増える
○○
・働いていて苦手なこと
チーム医療としての連携
患者さんの入れ替わりが激しい
○○
・今後やっていきたい仕事
維持期のリハビリで、一人ひとりの患者さんと深く関わりたい
5.まとめ
今回は、理学療法士(PT)が転職活動前に行う自己分析の方法についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
少し時間はかかってしまうかもしれませんが、作成することはそこまで難しくないと感じていただけたら嬉しいなと思っています。
転職活動中は、軸がぶれてしまい迷走してしまうケースもありますが、自己分析をしっかり進めておくことで避けられることは多く、これを機に漠然とした思いが具体化することも少なくありません。
転職を始める際は、ぜひ取り組んでみてください!
もし一人では不安ということがあれば、私たちPTOT人材バンクでもサポートしていますので、お気軽にご相談ください。
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