「患者さんの力になりたい」「自宅や仕事への復帰を支援したい」といった気持ちはPTとして働くうえで大切ですが、そのような気持ちだけで働き続けることはできませんよね。
自身の働きの対価として、どのくらい給料が貰えるのかは重要だと思いますし、転職検討時も、まず年収や給与を確認する方は多いのではないでしょうか?
今回はPTの給与事情を見ていきます。年収を上げる方法も解説しますので、せひ参考にしてください。
理学療法士の平均年収の現実
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、PTの平均年収は約433万円です。月収が30.0万円、賞与が71.4万円という内訳で、全産業平均年収の約507万円を若干下回っています。月収の差は少ない一方で、賞与に大きな差があることがわかります。
理学療法士(PT) | 全産業 | |
平均年収 | 4,325,800円 | 5,069,400円 |
平均月収 | 300,900円 | 346,700円 |
平均賞与 | 714,400円 | 909,000円 |
平均年齢 | 35.6歳 | 43.9歳 |
勤続年数 | 7.4年 | 12.4年 |
労働時間 | 162時間 | 166時間 |
超過時間 | 5時間 | 12時間 |
※企業規模10人以上のデータのため、職場の規模によって多少変動あり
※年収算出方法:決まって支給する現金給与額×12か月+年間賞与その他特別給与額
(出典:令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計) 表番号1 | 厚生労働省 、令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業大分類 学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額 表番号1 | 厚生労働省)
PTの平均年収は年々上昇傾向ではあるものの、現場で働くPTの方からすると、労働内容や労働環境の対価としては少し年収が低いのではないかという思いは依然としてあるでしょう。
PTの平均年齢は35.6歳と若いため、他職種と比べて給与が低くなる傾向にありますが、PTの年収は日本における給与所得者の平均値とほぼ同等のため、若い世代にとっては比較的働きやすい環境と言えそうです。
年代別・男女別の平均年収
PTの年代・性別ごとの平均年収と給料は、以下のとおりです。
日本理学療法士協会の会員の約4割を女性理学療法士が占め、約54,800人が活躍しています。理学療法士の養成機関には男女の制限がなく、学力と条件を満たせば誰でも学べます。患者によっては女性理学療法士を希望するケースもありますが、仕事内容には性差はなく、PTは男女ともに長く働ける職業です。ただし、体力を要する仕事であり、結婚や出産により時短勤務やパート勤務に移行する女性も多く、平均年収は男性よりやや低めです。
PTの給与は年齢とともに増加し、一般的に50代でピークに達しますが、60代以上になると定年制度の影響などで減少傾向にあります。また、体力を使う職業であるため、現場での長期勤務が難しくなる場合もあります。長く理学療法に携わりたい場合は、管理職を目指して後進を指導する立場や、独立開業なども視野に入れると良いでしょう。キャリアを長期的に見据え、年齢や給与を考慮したプランを設定することが大切です。
男性
年齢 | 平均年収 | 平均月収 | 平均賞与 |
20~24歳 | 約338万円 | 約25.1万円 | 約36.8万円 |
25~29歳 | 約386万円 | 約26.7万円 | 約65.3万円 |
30~34歳 | 約423万円 | 約28.8万円 | 約77.1万円 |
35~39歳 | 約469万円 | 約32.0万円 | 約85.1万円 |
40~44歳 | 約489万円 | 約33.7万円 | 約84.9万円 |
45~49歳 | 約492万円 | 約34.3万円 | 約80.5万円 |
50~54歳 | 約479万円 | 約33.4万円 | 役78.5万円 |
55~59歳 | 約623万円 | 約42.6万円 | 約111.8万円 |
60~64歳 | 約538万円 | 約34.6万円 | 約122.8万円 |
65~69歳 | 約478万円 | 約39.0万円 | 約10.2万円 |
女性
年齢 | 平均年収 | 平均月収 | 平均賞与 |
20~24歳 | 約325万円 | 約23.6万円 | 約41.8万円 |
25~29歳 | 約363万円 | 約25.2万円 | 約60.1万円 |
30~34歳 | 約381万円 | 約26.6万円 | 約62.0万円 |
35~39歳 | 約405万円 | 約28.2万円 | 約67.2万円 |
40~44歳 | 約426万円 | 約29.0万円 | 約78.1万円 |
45~49歳 | 約481万円 | 約31.7万円 | 約101.5万円 |
50~54歳 | 約491万円 | 約32.7万円 | 約98.6万円 |
55~59歳 | 約524万円 | 約34.7万円 | 約108.2万円 |
60~64歳 | 約520万円 | 約34.8万円 | 約68.0万円 |
65~69歳 | 約278万円 | 約16.8万円 | 約76.0万円 |
都道府県別の平均年収
地域ごとに生活費の水準や医療・介護ニーズが異なるため、PTの収入にも地域差が生じています。この章では6つの地域に分けて、PTの平均年収をご紹介します。
北海道・東北地方
都道府県 | 平均年収(男女) | 平均年収(男) | 平均年収(女) |
全国平均 | 約432万円 | 約451万円 | 約410万円 |
北海道 | 約411万円 | 約442万円 | 約378万円 |
青森県 | 約387万円 | 約365万円 | 約401万円 |
岩手県 | 約444万円 | 約463万円 | 約437万円 |
宮城県 | 約401万円 | 約414万円 | 約386万円 |
秋田県 | 約470万円 | 約438万円 | 約488万円 |
山形県 | 約436万円 | 約470万円 | 約412万円 |
福島県 | 約447万円 | 約483万円 | 約414万円 |
北海道・東北地方における男性の平均年収は、岩手県、山形県、福島県で高い傾向があります。女性の平均年収は秋田県や岩手県が高めで、北海道や宮城県ではやや低めです。全体的に、男性の年収が女性より高い傾向が見られますが、地域によって異なるため、一概に言えません。
関東地方
都道府県 | 平均年収(男女) | 平均年収(男) | 平均年収(女) |
全国平均 | 約432万円 | 約451万円 | 約410万円 |
茨城県 | 約458万円 | 約514万円 | 約454万円 |
栃木県 | 約462万円 | 約485万円 | 約418万円 |
埼玉県 | 約447万円 | 約464万円 | 約424万円 |
千葉県 | 約441万円 | 約476万円 | 約381万円 |
東京都 | 約443万円 | 約468万円 | 約422万円 |
神奈川県 | 約435万円 | 約450万円 | 約406万円 |
関東地方におけるPTの平均年収は、最も高い県は栃木県で、男女ともに全国平均を超えています。男性の平均年収は茨城県が最も高く、神奈川県がやや低めです。女性の平均年収は茨城県が最も高く、千葉県が最も低い傾向があります。全体的に男性の年収が女性より高い傾向が見られますが、女性の平均年収でも全国平均を超える地域がいくつかあります。
中部地方
都道府県 | 平均年収(男女) | 平均年収(男) | 平均年収(女) |
全国平均 | 約432万円 | 約451万円 | 約410万円 |
新潟県 | 約406万円 | 約417万円 | 約400万円 |
富山県 | 約452万円 | 約467万円 | 約442万円 |
石川県 | 約452万円 | 約452万円 | 約452万円 |
福井県 | 約425万円 | 約462万円 | 約395万円 |
山梨県 | 約445万円 | 約447万円 | 約441万円 |
長野県 | 約418万円 | 約444万円 | 約392万円 |
岐阜県 | 約443万円 | 約438万円 | 約458万円 |
静岡県 | 約438万円 | 約453万円 | 約410万円 |
愛知県 | 約452万円 | 約462万円 | 約434万円 |
三重県 | 約447万円 | 約432万円 | 約464万円 |
中部地方では、富山県、石川県、愛知県は、全国平均を上回る高い年収を記録しています。新潟県は全国平均を下回り、最も低い水準となっています。男性の平均年収は、福井県や愛知県が高く、富山県がさらに上回っています。最も低いのは新潟県です。女性の年収は、石川県では男性と同額で、男女差がないのが特徴的です。三重県や岐阜県は全国平均を大きく上回っています。一方、福井県や長野県は低めの傾向です。
特徴的な点として、三重県や岐阜県では女性の平均年収が男性を上回る逆転現象が見られます。
関西地方
都道府県 | 平均年収(男女) | 平均年収(男) | 平均年収(女) |
全国平均 | 約432万円 | 約451万円 | 約410万円 |
滋賀県 | 約473万円 | 約475万円 | 約469万円 |
京都府 | 約422万円 | 約436万円 | 約405万円 |
大阪府 | 約451万円 | 約483万円 | 約404万円 |
兵庫県 | 約438万円 | 約467万円 | 約412万円 |
奈良県 | 約455万円 | 約484万円 | 約418万円 |
和歌山県 | 約433万円 | 約448万円 | 約390万円 |
中国・四国地方におけるPTの平均年収は、滋賀県は男女ともに高く、近畿地方で最も高い水準です。京都府は全国平均を下回っています。男性の平均年収は奈良県と大阪府が最も高く、他県を大きく上回っています。最も低いのは京都府です。女性の平均年収は、滋賀県は全国平均を大きく超え、特に高い傾向があります。一方、和歌山県や大阪府は全国平均を下回っています。
特徴的な点として、滋賀県では男女差が非常に小さいのに対し、大阪府や奈良県では男性と女性の年収差が大きい傾向があります。
中国・四国地方
都道府県 | 平均年収(男女) | 平均年収(男) | 平均年収(女) |
全国平均 | 約432万円 | 約451万円 | 約410万円 |
鳥取県 | 約417万円 | 約451万円 | 約377万円 |
島根県 | 約429万円 | 約430万円 | 約427万円 |
岡山県 | 約453万円 | 約480万円 | 約420万円 |
広島県 | 約425万円 | 約450万円 | 約397万円 |
山口県 | 約448万円 | 約439万円 | 約471万円 |
徳島県 | 約402万円 | 約414万円 | 約330万円 |
香川県 | 約431万円 | 約441万円 | 約408万円 |
愛媛県 | 約443万円 | 約454万円 | 約427万円 |
高知県 | 約415万円 | 約422万円 | 約410万円 |
中国・四国地方におけるPTの平均年収は、岡山県と山口県が高く、全国平均を上回っています。徳島県は最も低い水準です。男性の平均年収は、岡山県が最も高く、全国平均を上回っています。最も低いのは徳島県です。女性の平均年収は、山口県は男性を上回る全国的にも珍しい傾向があります。徳島県は全国平均を大きく下回り、最も低い地域です。
特徴的な点として、山口県では女性の年収が男性より高い珍しい例が見られる一方、徳島県では男女ともに低い水準で特に女性の年収が顕著に低いことが目立ちます。
九州・沖縄地方
都道府県 | 平均年収(男女) | 平均年収(男) | 平均年収(女) |
全国平均 | 約432万円 | 約451万円 | 約410万円 |
福岡県 | 約434万円 | 約438万円 | 約429万円 |
佐賀県 | 約416万円 | 約449万円 | 約377万円 |
長崎県 | 約373万円 | 約398万円 | 約361万円 |
熊本県 | 約389万円 | 約407万円 | 約374万円 |
大分県 | 約394万円 | 約410万円 | 約368万円 |
宮崎県 | 約396万円 | 約383万円 | 約407万円 |
鹿児島県 | 約434万円 | 約431万円 | 約438万円 |
沖縄県 | 約441万円 | 約445万年 | 約438万円 |
九州・沖縄地方におけるPTの平均年収は、沖縄県と鹿児島県は全国平均に近い水準で、特に沖縄県は高めです。長崎県は最も低い水準となっています。男性の平均年収は、沖縄県と佐賀県が高めの水準です。最も低いのは宮崎県です。女性の平均年収は、鹿児島県と沖縄県は男性とほぼ同等で、全国平均を上回っています。最も低いのは佐賀県です。
鹿児島県と沖縄県では男女の年収差がほとんどなく、女性の年収が全国平均を上回る地域が見られます。一方、佐賀県や長崎県では女性の年収が特に低く、男女差が大きいのが特徴です。
他の医療福祉職と理学療法士の年収比較
以下に、PTと他の医療・福祉職との平均年収を比較した表を示します。
職業 | 平均年収 | 平均年齢 |
薬剤師 | 約577.2万円 | 40.3歳 |
診療放射線技師 | 約536.4万円 | 41.1歳 |
臨床検査技師 | 約508.0万円 | 41.3歳 |
看護師 | 約508.0万円 | 41.9歳 |
理学療法士(PT) | 約432.6万円 | 35.6歳 |
介護福祉士 | 約370.6万円 | 44.4歳 |
表は医療福祉業界の年収を高い順に並べていますが、PTはその中ほどに位置しています。医師や看護師など他の有資格者に比べ、年収は少し低い傾向があります。
他の医療福祉よりもPTの平均年収が低い理由
他の医療福祉職と比べてPTの給料や平均年収が低い要因には、以下の3つが挙げられます。
平均年齢の低さ
医師の平均年齢は約46.1歳、看護師は約41.9歳、保健師は約38.6歳であるのに対し、PTは約35.6歳と若めです。年齢や経験が増えるほど給与も高くなる傾向があるため、比較的若いPTは、他職種と比べて給与がやや低くなりがちと言えるでしょう。
法律によって給与に変動がある
PTを含む医療・介護職の報酬は法律により決められており、リハビリの費用も症状や施設規模に応じて細かく分類されています。このように、病院や施設で報酬を自由に変更できない仕組みがあるため、医療・介護職は給与が上がりにくい職種とされています。
1日に提供できるリハビリの単位数に制限がある
PTが1日に担当できるリハビリの単位数には上限があり、20分を1単位としています。そのため、収入を増やす目的でリハビリを追加で行うことが難しく、他職種に比べ収入が低めになる傾向があります。
夜勤がない
夜勤がある職種の場合、夜勤手当の支給により年収がその分高くなりますが、PTは夜勤がほとんど発生しない職種です。夜勤がない職種としては年収が高いと言えるでしょう。
作業療法士(OT)と理学療法士の給料比較
PTとOTはしばしば比較されますが、以下のように、PTの方が高い傾向にあります。特に30代以降、年齢を重ねるにつれてその差が大きくなるのがわかります。
年齢 | 理学療法士(PT) | 作業療法士(OT) | PTとOTの差分 |
20~24歳 | 241,512円 | 244,080円 | -2,568円 |
24~28歳 | 256,256円 | 250,621円 | -5,635円 |
28~32歳 | 271,989円 | 265,905円 | -6,084円 |
32~36歳 | 293,776円 | 281,620円 | -12,156円 |
36~40歳 | 309,235円 | 296,480円 | -12,755円 |
40~44歳 | 329,830円 | 319,393円 | -10,437円 |
44~48歳 | 354,659円 | 331,403円 | -23,256円 |
48~52歳 | 388,652円 | 344,936円 | -43,716円 |
52~56歳 | 422,231円 | 364,649円 | -57,582円 |
56歳~ | 425,242円 | 411,875円 | -13,367円 |
今後理学療法士の平均年収や給料は上がる?
PTは将来的に大幅な昇給が難しい職業とされていますが、平均年収は今後どのように推移していくのでしょうか。PTの現状と将来の見通しについて、解説していきます。
【過去5年分】理学療法士の年収推移
年 | 平均年収 | 平均月収 | 平均賞与 |
2023年 | 約433万円 | 約30.1万円 | 約71.4万円 |
2022年 | 約431万円 | 約30.1万円 | 約69.8万円 |
2021年 | 約427万円 | 約29.6万円 | 約71.3万円 |
2020年 | 約411万円 | 約28.9万円 | 約64.5万円 |
2019年 | 約410万円 | 約28.8万円 | 約64.6万円 |
※2020年度までは理学療法士・作業療法士の合算だが、2021年度以降は言語聴覚士と視能訓練士も合算
この5年間でPTの平均年収は約20万円上昇し、少しずつ増加傾向にあります。疾患別リハビリテーション料が大きく変わることはないため、急激な昇給は難しいですが、景気の影響を受けにくく、経験を重ねれば安定した収入が見込める仕事といえるでしょう。
2024年6月1日より療法士の算定可能項目にベースアップ評価料が導入されたことにより、今年度の調査では給与のアップが見込めそうです。
(出典:厚生労働省 ベースアップ評価料)
理学療法士の数は増え続けている
令和5年度末時点での公益社団法人日本理学療法士協会の会員数は139,556人に達し、平成24年度の83,939人から55,617人の増加が見られます。高齢化による需要増がある一方で、PTの数が過剰であるため、供給が需要を上回っているのが実情です。
また、令和5年度の国家試験合格者数は11,312人で、年々増加しています。PTは給与を引き上げなくても人材が集まるため、給与上昇は難しい見通しです。
国家試験の合格者数と日本理学療法士協会の会員数の推移を表で示しています。
年度 | 合格者数(名) | 会員数(名) |
2023年度 | 11,312 | 139,556 |
2022年度 | 10,096 | 136,357 |
2021年度 | 9,434 | 133,133 |
2020年度 | 10,608 | 129,875 |
2019年度 | 10,809 | 125,372 |
今後は就職競争が激化し、スキルの低下が懸念される可能性もあります。PTとして求められる存在であり続けるには、スキルを磨き続けることが重要です。
経験・スキルが給与に反映されづらい
PTの診療報酬は時間単位で設定されており、効率よく点数を稼ぐことが難しいです。リハビリは1単位20分で、8時間勤務時は最大24単位ですが、実際は平均18〜24単が多いようです。また、リハビリの種類によって単位数に制限があり、上限を超えると指導対象となります。このため、経験を積んでも収入に変化がないため、長年のPTは給与に不満を感じやすい傾向があるといえるでしょう。
理学療法士の活躍の幅は広がっている
高齢者の増加に伴い、PTの活動は病院やクリニックなどの医療業界から介護業界へと広がっています。地域での予防介護や地域包括ケアシステムへの参加など、PTの知識が求められる機会は増加する見込みです。また、スポーツや研究・教育分野でもPTの需要が高まっています。さらに、大学院に進学して、理学療法についての研究に従事するPTなども増えてきているようです。
理学療法士が給料を上げる方法は?
PTが給料を上げる方法について見ていきましょう。
基本的には年齢と経験を積み重ねていく
PTも他の多くの業種と同じように、経験年数と共に給与がアップする場合が多いです。2章の年代別給与より、働き始めた20代前半よりも経験を積んだ50代前半の方が給与は高いことが分かります。
また、2年目(経験1年目)以降は賞与が満額支給されるようになるため、年収が大幅に増加します。昇給率はさほど高くないものの、経験年数に応じて徐々に増加し、5年目以降の年収は300万円~400万円程度が相場です。5~9年目には認定資格取得を目指す人も多く、キャリアアップや転職を考える時期にあたります。
経験年数 | 平均年収 | 平均月収 | 平均賞与 |
0年 | 約307万円 | 約24.9万円 | 約7.7万円 |
1~4年 | 約369万円 | 約25.4万円 | 約63.8万円 |
5~9年 | 約401万円 | 約27.7万円 | 約68.7万円 |
10~14年 | 約447万円 | 約30.6万円 | 約79.8万円 |
15年以上 | 約502万円 | 約33.9万円 | 約95.3万円 |
PTの場合は勤続年数によっても年収に違いが見られます。2章の年代別給与から、経験やスキルが充実してくる35歳~39歳であっても、同じ職場での経歴の長さで年収は大きく変わってくることも示されています。同じ年齢であっても、経歴が違えば年収額にも大きな差が出てきますので、自分が働きやすい職場で長く務めることが年収アップに繋がりそうであり、多くの職場で勤続年数での昇給が一般的になっています。
病院や施設などでは、保険内診療で患者さんを診る限り、能力の優劣に関わらず誰が対応しても時間当たりの報酬額は一定なので、このあたりの制度が大きく変わることはなさそうです。
認定資格や別の資格を取得し、専門性を身に付ける
PTは日本理学療法士会が提供している生涯学習制度を活用できます。この制度に参加し、前期・後期の研修を受けることで登録理学療法士の資格を得ることができ、その後は認定理学療法士や専門理学療法士といったより専門的な資格の取得を目指すことも可能です。登録理学療法士、認定理学療法士、専門理学療法士はいずれも認定資格であり、取得後は5年ごとに更新が求められます。
資格取得について詳しく知りたい方はこちら
理学療法士×資格~PTのスキルアップやキャリアチェンジに~
認定理学療法士とは~理学療法士(PT)の認定資格の総まとめ~
高年収の職場に転職
PTが働ける職場は幅広いものの、給与水準は職場によって異なるのが実情です。高収入を目指すには、年収が高めの職場へ転職する方法もあります。この章では、年収が比較的高めの職場と職場を選ぶ際の注意点を紹介します。
介護施設や在宅リハの現場
日本の高齢化により、介護施設や訪問リハビリの需要が増えていますが、PTの多くは病院・クリニックに勤務しているため、介護業界では働きやすい環境を整える施設が増加中です。高めの給与や、訪問リハビリに歩合制を採用している施設もあるため、収入面を重視する方は一度検討してみると良いでしょう。
従業員数の多い事業所
大きな病院や施設は福利厚生が整っており、働きやすいとされています。また、給与水準も高めで、特に賞与の面では従業員数が1,000人以上の事業所と小規模事業所で10万円以上の差が出ることもあります。高収入をめざすなら、従業員規模にも目を向けてみましょう。
一般企業
PTとして同じ職場で勤務していると、昇給があまり期待できない場合があります。そのため、一般企業へ転職することで昇給額が増え、長期的には収入が向上することもあるでしょう。福祉用具や福祉機器、住宅分野では、PTとしての知識を活かしながら働けるでしょう。
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福利厚生も要確認
制服の提供や身だしなみ支援、住宅手当、扶養手当などの生活サポートの有無は重要です。医療・福祉分野では、常に清潔であることが求められ、長年の勤務で負担が増すこともあるため、確認は欠かせません。また、キャリアアップのための講習や研修への参加支援制度があるかどうかも要チェックです。給与とともに、福利厚生の内容を把握しておきましょう。
独立・開業を検討する
「理学療法士」の資格のみでは医療保険の対象事業所を開業できませんが、以下のように理学療法を単独で行わない形であれば開業が可能です。
- 無資格者でも施術ができる「整体院」
- 介護予防事業所
また、開業権のある国家資格を取得するという選択肢もあります。
- 柔道整復師
- 鍼灸師
- あん摩マッサージ指圧師
独立・開業や開業権のある国家資格ついて詳しく知りたい方はこちら
【PTの開業】理学療法士が開業する方法と注意点とは!?
柔道整復師と理学療法士(PT)の違いとは?ダブルライセンスや難易度を解説
理学療法士×資格~PTのスキルアップやキャリアチェンジに~
自費リハビリなど保険外診療を行っている企業等に就職
医療保険や介護保険内での診療と違い、継続的に顧客を獲得することができれば大きく報酬をアップさせることも可能です。自身のスキルに自身があるならチャレンジしてみるのも良いと思います。
管理職など組織マネジメントを担う立場になる
病院や施設の役職のあるポジションに就くことができれば、管理職手当などの支給もあり年収アップにつながる可能性があります。
副業をする
近年では副業を許可している職場も徐々に増えているようです。スキマ時間に副業をするのも年収をアップさせる手段の一つです。PTとして働く傍ら、趣味や特技を仕事につなげることができれば尚良さそうですね。
非常勤で働く
デイサービスや訪問リハビリの職場には、週1日から可能な非常勤の仕事もあります。休みの日に他の施設で働くことで、リハビリの経験を広げ、人脈形成の機会も得られるかもしれません。
スポーツトレーナーとして活動
スポーツトレーナーは多くが個人で契約し、休日限定の仕事も可能な場合が多いようです。プロとの契約はハードルがあるものの、地域のスポーツ団体や企業チームでスキルを活かせるチャンスはあるでしょう。
セミナーの開催
PTとしての知識を活用し、セミナーを実施するのも一案です。PT同士や一般向けの健康セミナーなど、自分の得意分野に合わせて内容を選ぶと良いでしょう。ただし、開催には実績と専門性が求められるでしょう。
ライターとして執筆にチャレンジ
PTが持つリハビリや健康に関する知識を活かしてライター活動を行うことは、専門性を広める良い機会です。医療や健康、運動に関するコラムや記事を執筆することで、一般の方に貢献しながら収入の確保にも繋がるかもしれません。
まとめ
PTは若いうちは給与の伸びが緩やかですが、長く続ければ昇給が期待できます。介護分野の需要増加や勉強を通じたキャリアチェンジの可能性も広がり、向上心があれば多様な分野で挑戦できる職業です。
ただ、PTが提供する介入に関しては、まだまだ科学的根拠(エビデンス)の蓄積が十分でないものも多く、Evidence-Based Medicine(EBM)が重要視される今日においては、診療報酬がなかなか上がらないのが現状です。
PTが行う介入方法およびその効果に関して質の高いエビデンスを示す、保険内診療以外の場面での付加価値を生み出すなどでPTの社会的な立場が向上させることで、診療報酬と併せて給与の上昇につながるかもしれません。
希望の年収額などがある場合は、PTOT人材バンクのキャリアパートナーに遠慮なくご相談ください。あなたの条件に合った転職先が見つかるように、しっかりとお手伝いさせて頂きます。

PTOT人材バンクへのよくあるご質問
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