転職を検討し、情報を検索していると理学療法士(PT)の離職率について目にすることもあるかと思います。
自身のキャリアを高めるために転職を考える方はたくさんいますが、現在の職場に対しての満足度が高くないなど、ネガティブな理由が背景にあることがあるかも知れません。
そういった理由で転職する際には、離職する理由は何なのかを明確にし、それを解消できるような転職先を選択することが転職を成功させる大きなポイントになってきます。
今回はPTの離職率と離職の原因について見ていこうと思います。是非参考にされてみてください。
目次
1.理学療法士(PT)の離職率はどのくらい?
まずはPTの離職率の現状を見ていきましょう。
PTの離職率
少し古いデータにはなりますが、日本理学療法士協会が、2013年~2015年の3年間、各年の離職者数と在籍者数を医療機関と介護福祉領域の職員に分けて調査しています。
その結果、平均離職率は医療機関で10.2%。介護福祉領域で18.8%となっており、全体としては約12.3%と捉えることができます。(下記施設数から加重平均で算出)
離職率は各施設において(離職者/在籍者総数×100)で算出した平均であり、調査対象となった医療機関数は合計1046カ所、介護福祉領域の施設や職場の合計は342カ所となっています。
介護福祉領域で離職率は高くなっていますが、医療機関に比べ安定的に収益が望めない年度も多い可能性が高く、結果として年収額などに不満がでてくることで、退職者が多くなってしまう影響もあるかもしれません。
PTの離職率は高いのか?
PTの離職率は他の業種と比べて高いのでしょうか?
厚労省が公表している2018年の雇用動向調査結果の概況を見ると、日本全体の離職率は14.6%と報告されています。
先に示したPTの離職率12.3%で考えると、全体的な平均より少し低い傾向にあると言えます。
また、産業別に見てみると、飲食業・宿泊サービス業が26.9%、生活関連サービス業・娯楽業が23.6%となっており、離職率の高い職種と比べた際はもちろん、医療・福祉業の15.5%と比べてもPTの離職率は低いと言えるのではないでしょうか?
2.理学療法士(PT)の離職のピークはいつ頃?
次に、PTがどのくらいの勤務年数で離職してしまうのかを見ていきましょう。
厚生労働省が2019年に調査したデータによると、就職後2年~5年で退職してしまう人が最も多いという結果になっています。
厚労省が2019年に調査したデータによると、2年~5年で辞める人が最も多い。
6か月 未 満 | 6か月~ 1年未満 | 1年~ 2年未満 | 2年~ 5年未満 | 5年~ 10年未満 | 10年 以上 | |
2019年の離職者数 | 153400 | 141500 | 189500 | 343000 | 220900 | 262100 |
ただ、このデータは専門的・技術的職業従事者として集計されており、PTの他にも、化学研究員、農産物検査員、システム設計技術者、医師、薬剤師、看護師、歯科衛生士、保育士、弁護士、写真家、デザイナー、教員、編集者など、様々な職種の人のデータが含まれていますので、あくまで参考にお考えください。
PTは介入対象が幅広く、病院や施設によって偏りがでてくるため、自身のキャリアを考えた際に、転職をした方が有利に働くこともあります。大体5年程度働けば、特定の分野についての知識や技術が身に付き、自信を持って患者さんを診ることができるようになるのではないかと思います。
そうなってきたら、次のステージへ進みたくなる向上心の高い方もPTの中には多いと思います。一つの場所で長く働くことも大切ですが、ある程度経験を積んで、次のステップへ進むことも決して悪いことではないと思います。
3.理学療法士(PT)が職場を辞める理由
下記タイプと弊社の成功事例の声、ご自身の経験から自由にお書きください。
PTが退職をする際の理由はどのようなものがあるのでしょうか?最後に、退職理由をタイプ別にご紹介させて頂きます。
①自身のキャリアアップを考えたい
・回復期病院に勤めており、患者さんと接する中で退院後の生活に寄り添いたいという気持ちがでてきたが、勤務先の病院ではかなえることができそうになかったため転職を決意。
・整形外科専門のクリニックに勤務していたが、もっと幅広い分野の患者さんを診たいという想いが強くなり、総合病院への転職を検討。
②家庭と仕事を両立させたい
・総合病院に常勤職員として勤務していたが、結婚して子供ができたため、もっとフレキシブルな働き方ができる職場で働きたいと思うようになった。
・地域のクリニックで働いていたが、将来のことを考え福利厚生のしっかりしている規模の大きい病院で働きたいと思うようになった
③組織運営や経営、マネジメントに携わりたい
・これまでの経験を活かして組織運営に携わりたいと考え、急性期病院から訪問看護ステーションへの転職を希望
・上司が変わったことで経営体制に変更が生じ、運営との考えが合わなくなってしまったので、もっと理念に共感できる介護施設で働きたいと思うようになった
PTが退職を考えるときの例として、上記のようなものが挙げられます。
4.まとめ
今回は理学療法士(PT)の離職率と離職の理由について詳しく紹介させて頂きました。
近年は、離職率の改善を意識して、職員の定着を図る目的で働きやすい職場環境を作る取り組みを行っている医療機関や施設も増えてきています。
転職先を検討する際にも、その職場の離職率に着目してみるのも良いかもしれませんね。
自身の転職の理由を考慮し、重視したい条件がある場合は、PTOT人材バンクのキャリアパートナーに遠慮なくご相談ください。できるだけ条件の近い転職先が見つかるよう、お手伝いさせていただきます。
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