2025年の超高齢社会に向けて、今後需要が高くなることが予想される「デイケア」。

今回は、「デイケアとは?」という基礎的なことから、デイケアで働く理学療法士(PT)の仕事内容や求められるスキルなどについて解説していきます。

ぜひ、デイケアで活躍するPTについての理解を深めてみてください。

1.デイケア(通所リハビリテーション)とは

デイケアとは、正式には「通所リハビリテーション」と呼び、厚生労働省により次のように定義されています。

介護老人保健施設、病院、診療所その他厚生労働省令で定める施設で行う、居宅要介護者に対する、心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるための理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーション

リハビリ以外には、送迎や食事、入浴介助、集団体操やレクリエーションなどのサービスを提供しています。

理学療法士(PT)がデイケアで働く際は、入院加療は必要としないがリハビリを通して身体機能の維持・向上を必要とする利用者を担当することになります。

病院の入院患者と異なり、心身機能の分析力以外にも在宅生活の問題点を、より詳しく分析するスキルが求められます。

2.理学療法士(PT)のデイケアでの仕事

デイケアでのPTの仕事は、利用者の送迎、リハビリテーションが中心になります。施設によっては、送迎業務は行わずにリハビリテーションだけを行う場合もあります。

デイケアで働くPTは、徒手療法や運動療法を用いたリハビリを中心に行います。また、在宅生活を意識して、和室での起居動作や台所での立ち作業など、より実践的な練習を行うことも。

デイケアにおけるPTの業務内容やタイムスケジュールの一例は次の通りです。

利用者の送迎時に、ご家族から家庭での様子を確認したり、相談を受けたりすることもあります。そのため、病院勤務よりもご家族様とのコミュニケーション能力も求められます。

時間業務内容
08:30~09:30出勤。利用者の休みや1日の流れを確認。 利用者宅へ迎えに行きます。
09:30~10:00施設到着。バイタル測定や特記事項の共有を行います。
10:00~12:00リハビリテーション実施。
12:00~13:00昼休み
13:00~16:00リハビリテーション実施。
16:00-17:00利用者を自宅に送ります。
17:00~17:30記録業務。退勤。

短時間のデイケアもある

通常デイケアは、利用時間が6時間〜8時間未満の「1日型」が一般的ですが、事業所によっては1〜2時間の「短時間型」も存在します。

短時間型デイケアは、リハビリに特化しているため、そこでのPTの仕事内容も若干異なってきます。

短時間型のデイケアでは、個別リハビリに加えてPTが立案した自主トレーニングを行う場合が多いです。従って、利用者ごとに適切な自主トレーニングメニューの立案や指導、トレーニングマシーンの操作方法の説明などを行います。

デイケアで理学療法士(PT)に求められること

1日型・短時間型のデイケアでPTに求められるのは、大きく分けて以下3つのスキルです。

  • 介護保険に関する知識
  • 利用者家族とのコミュニケーションスキル
  • 在宅生活を意識したリハビリ

それぞれの詳しいスキル内容について確認していきましょう。

介護保険に関する知識

デイケアの利用者は、介護保険の受給者であるため、介護保険を使用した福祉用具の貸与や住宅改修のサービスを活用する場合が多くあります。

そのため、PTが介護保険について理解することで、福祉用具の貸与や住宅改修などの助言を円滑に行えるのです。

利用者家族とのコミュニケーションスキル

デイケア利用者の多くは、高齢であり家族と同居している場合が多いため、デイケア利用時にはわからない家庭での様子などについて、家族から直接確認することもあります。

また、家族から相談を受ける場合もあるため、難しい事柄を簡潔に伝えるコミュニケーションスキルが求められます。

在宅生活を意識したリハビリ

デイケア利用者は、入院患者とは異なり在宅での生活を送っているため、リハビリ内容も在宅生活を意識した内容にする必要があります。

例えば、「台所に立って料理をしたいが長時間立っていられない」などの利用者に対して、「なぜ立っていられないのか?」「座って作業は可能か?」など、問題点を具体的に考え、適切なリハビリプログラムを立案する必要があるのです。

デイサービスで求められることとの違い

デイケアがデイサービスと比較して求められるのは、「積極的なリハビリ」です。

デイサービスでは、個別リハビリがなく集団体操やマシントレーニングが中心となります。対して、デイケアは個別リハビリが中心となるため、利用者も「積極的なリハビリ」を望んでいるのです。

従って、デイケアで働くPTには、積極的なリハビリを通して、「もっと元気に過ごしたい」「病気や怪我を治したい」などの利用者のニーズを満たすリハビリを提供する必要があるのです。

3.デイケア(通所リハビリテーション)がおすすめな人

デイケアでは、限られた時間・曜日の中で利用する高齢者のニーズを満たす必要があります。

そのため、「短期間で機能の維持・向上を図るスキルを身につけたい!」という方や、「高齢者との交流が好き」という方におすすめと言えるでしょう。

また、患者の入れ替わりが多く短期間の関わりとなりやすい病院よりも、「長期間に渡って同じ利用者と関わりたい」という方にもおすすめです。

4.まとめ

デイケアは、入院加療は必要ないが、積極的なリハビリを希望する方が利用するサービスです。

病院勤務と異なり、介護保険についての知識が求められたり、利用者家族との関わりも多くなったりします。また、在宅生活を意識した評価やリハビリプログラムの立案が必須となってきます。

そのため、基本的な理学療法士(PT)としての知識やスキル以外にもデ、イケアに合わせた知識・スキルが求められます。

これからの超高齢社会に向けて、よりニーズが高くなるデイケアで、ぜひ活躍してみてはいかがでしょうか。

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【引用URL】
厚生労働省 通所リハビリテーション