超高齢社会を迎え理学療法士(PT)の需要は高まっているものの、毎年多数の有資格者が誕生していることから、より高い専門知識を身につけて就職や転職を有利に進めたいと考えている人も多いのではないでしょうか?

専門性を高める方法は複数ありますが、今回は大学院に進学して専門性を高めるメリットやデメリット、気になる学費の相場についてご紹介していきます。

既にPTとして働いている人も、現在PTを目指している人も是非参考にしてみてください。

1.理学療法士(PT)が大学院に進学する意義

理学療法領域の大学院に進学する場合、大学からそのまま進学するケースと、臨床を経験してから進学するケースがあります。

いずれの場合も理学療法領域の知識を極めたい、臨床での疑問を研究によって明らかにしたい、教育者としてレベルアップしたい、将来的に教員や研究者として働きたいなどの目的を達成するために大学院へ進学する人が多いようです。

かつては養成学校での教職員が大学院へ進学し修士や博士となるケースが多い印象でしたが、最近では臨床実習指導者講習会の受講が義務付けられるなど臨床実習教育の質に対しても注目が集まっており、臨床における教育者としてのスキルアップを目指す人や臨床で働きながら研究をする人も増えています。

臨床における教育者の育成に力を入れている大学院も多く、臨床での指導におけるスキルアップを目指している現役PTにとっても大学院進学は意義のあるものとなっています。

その他にも認定理学療法士の新規申請において、申請領域に則した内容の修士・博士論文であれば履修要件に則したポイントを申請することができるため、理学療法士としてスキルアップする際に大きく役立つ点も注目すべきポイントです。

2.大学院に理学療法士(PT)に進学するメリット・デメリット

では実際にPTが大学院へ進学する際のメリットとデメリットを確認していきましょう。

メリット

大学院に進学すると、最低でも2年以上研究に携わり、高度で専門的な研究をすることになります。研究を進めるにあたり必要な知識も多くなることから、より高い専門性を身につけられる点が大きなメリットといえます。

また、大学院を卒業すると修士や博士の学位が授与され、大学教員や研究員など大学院を卒業していないと就くことが難しい就職先も選択可能となる点もメリットの1つです。

その他にも、大学院生は研究発表などのプレゼンテーションをする機会が多くなることから、場数を踏む中でプレゼン能力や資料作成のスキル向上も期待できるでしょう。

まだ認定理学療法士の申請をしていない人は、前述したように修士・博士論文が申請領域に則していれば大学院修了が新規申請のポイントとなる点もメリットといえます。

デメリット

大学院に進学するには、当然ながら学費がかかる点が大きなデメリットといえます。

仕事をしながら通える大学院も多いものの、研究に割く時間が必要になることから「仕事と勉強の両立」が大きなハードルとなるでしょう。

大学院で学ぶことに対して強い意志がない場合は両立することが難しく感じるものの、同じように働きながら大学院に通う同級生から刺激を受けてモチベーションを高めている人もいます。

同級生との繋がりは人脈づくりにもなり、卒業後に活きるケースもあり、苦労を分かち合う仲間との絆を深められる点はメリットにもなり得るでしょう。

3.大学院に進学する際の費用

大学院の学費は大学ごとに異なり、国立と私立では金額も大きく異なります。

主に入学金は公立、私立ともに20~30万円前後、年間の学費は公立で60万円前後、私立で100~200万程度が相場となっています。

公立の場合は住民票の住所によって入学金が免除される大学もあるほか、私立でも学費の減免や分納、奨学金制度が整っている大学があります。

学費は大学院への進学を考える上で外せない問題ですが、経済的な理由で進学を迷っている人は、まずは希望する大学院の学費や学費に関する制度などを確認してみると良いでしょう。

4.理学療法を研究できる主な大学院一覧

大学院で理学療法を学べる場所は限られていますが、主な大学院をまとめましたので参考にしてみてください。

  • 国際医療福祉大学大学院
  • 東京都立大学大学院
  • 神戸学院大学大学院
  • 大阪府立大学大学院
  • 神戸大学大学院
  • 埼玉県立大学大学院
  • 群馬大学大学院
  • 文京学院大学大学院
  • 茨城県立医療大学大学院
  • 中部大学大学院
  • 県立広島大学大学院

5.まとめ

大学院への進学を検討するにあたり、漠然と修士号や博士号で箔をつけたいと考えている人にとっては、仕事と勉強の両立はハードルが高いものといえます。

なぜ大学院への進学が必要なのか自分の中で明確な答えを持つことが有意義な大学院生活を送る上で重要です。

大学院に興味はあるものの、まだ強い意志まではないという人も、自分の興味の種を大切に、自分のなりたいPT像や働き方を改めて考えた上で大学院進学について検討していけると良いのではないでしょうか。

時間もお金も労力もかかる大学院進学ですが、卒業時に得られるものはそれ以上に大きな価値があるので、まずはしっかりと自分と向き合い大学院進学を検討してください。

不明点があれば、是非PTOT人材バンクのキャリアパートナーに遠慮なくご相談ください。

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