多くの社会人にとって目標の1つとされる年収1000万円。理学療法士(PT)を目指す方やすでに働いている方の中にも、どうすればその年収に届くのか気になる方も多いのではないでしょうか。
SNSなどを見ていると、PTでも年収が1000万円程度ある方も散見されますが、彼らがどのように自身の年収を上げてきたのか気になりませんか?
今回はPTが年収を上げる方法について紹介していきますので、収入を上げてみたいと思っている方は、是非参考にしてみてください。
目次
1.理学療法士(PT)で年収1000万円は可能?
先に結論を言ってしまうと、PTとして普通に働いているだけでは年収1000万円を達成するのは現実的ではありません。
令和5年度の厚生労働省の賃金構造基本統計調査の結果によると、PTの平均年収は約432万円となっています。
PT全体の平均年齢が低いことも少なからず影響していますが、保険診療報酬の制度内で診療を行う限り単価が上がらないため、大幅な収入アップには繋がりにくいのが主な理由です。
そのため管理職などの役職のあるポストに就いたり、インセンティブ制度のある職場で働いても600〜700万円が大きな壁になるはずです。
賃金構造基本統計調査を元にPTの給料についてまとめていますので、詳しくはこちらをご確認ください。
【最新版】理学療法士の平均年収・給料は安い?高収入をめざす方法
出典:賃金構造基本統計調査 / 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 表番号1 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
2.理学療法士(PT)の年収と働き方
年収1000万円について見ていく前に、まずは一定の収入を得ているPTがどのような働き方をしているのかを年収別にみていきましょう。
年収500万円
現在の50代PTの平均年収が550万円程度であり、同じ職場でコツコツとキャリアを積んでいけばそれほど達成は難しくない数字だと言えます。
ただ、医療・介護保険の制度によってリハビリの診療報酬が引き下げられる可能性や、現在の50代よりもPTの人数が大幅に増えていることを考えると、今後は少しずつ難易度が上がってくることが考えられます。
若いうちから年収500万円を狙いたい場合は、インセンティブ制度の良い訪問看護ステーションなどへの転職を検討すると良いかもしれません。
年収700万円
この額の年収になると、医療機関で普通にPTとして勤務しているだけでは達成が難しくなってきます。訪問看護ステーションや介護老人保健施設などの介護保険分野での管理職、または医療機器やリハビリ機器などを取り扱う医療関連企業に就職できれば手が届くかもしれません。
副業に力を入れても達成することはできそうですが、いずれにしろPTとしての仕事に加えて、マネジメント業務や営業、その他の知識や技術が求められるのは言うまでもありません。
年収700万円は手が届かない額ではないですが、それなりの努力が必要となってくる数字になります。
年収1000万円
年収700万円を達成し、そこから突き抜けた先に1000万円という数字が見えてきます。
700万円を達成した方法を継続しながら、さらに異なった働き方や役割が求められることになるため並大抵の努力では到達は困難です。
個人としてのブランディング力や物凄く突出した知識や技術があって、それらをいかに活かせるかといったことがポイントにもなってくるでしょう。
3.理学療法士(PT)が年収1000万円を目指す方法
それでは、PTが年収1000万円を目指すためにはどのような方法があるでしょうか。この点について具体的にみていきましょう。
開業する
PTは基本的に、「医師の指示の下に理学療法を行うことを業とする者」と定義されているため開業権は持っていません。
ですが、自費診療や整体院といった形であればPTでも開業することができます。施術に対する料金設定も診療報酬にとらわれずにすむため、単価を上げることができ、高収入も目指せます。
経営が軌道に乗れば、年収1000万円にも手が届きますが廃業のリスクも付き纏うため、努力も必要になってきます。
副業をする
副業をすることも一つの選択肢です。もちろん職場の就業規則によっては難しい場合もありますが、休日に他のクリニックや施設で働くなど方法はあります。
しかし、副業だけで年収1000万円を目指そうと考えると、休日のほとんどを副業に当てないとならないためかなりハードになってきます。
自費リハビリ分野やパーソナルトレーナーなどで個人的な契約を締結できれば、高収入に繋がりやすいかもしれません。
大学教授になる
大学の教授を目指すのも収入を上げる方法の一つです。特に私立大学の教授であれば、年収1000万円は余裕で手が届く範囲になってきます。
しかし、教授になるためには論文の執筆や学位の取得などクリアしなければならない壁も多く、かかってくる時間的、費用的なコストも高くなってきます。
若い時から計画的に動かなければ達成することは難しいかもしれません。
海外で働く
海外でPTとして働くことで年収を上げることもできます。アメリカやカナダ、オーストラリアなどではPTの社会的な立場も高く、開業権があるため高収入を目指すことのできる人気の職業になります。
海外で働くためには言語の違いや教育体制の違いの関係で手続きに時間がかかったり、現地の教育機関で学校の単位を取り直す必要がでてきたりと障壁も多いですが、興味がある方は目指してみてはいかがでしょうか。
昇進する
医療関連企業ではPTの知見を活かし、様々な働きを行っているPTもたくさんいます。こういった企業では医療分野だけでなくI T関係や工学系の知識、時には語学力といった幅広い知識や技術が求められるため、年収が高く設定されていることが多いです。
そういった環境で昇進を繰り返し、経営や社内の重要なポジション関わる役職に就くことで年収1000万円を狙うことができるかもしれません。
セルフブランディングを生かして仕事を獲得する
最近ではSNSを通じて、自身の知識や技術を発信しているPTが増えてきています。
ある分野に特化した知識や技術を持っている場合は、「この分野ならこの人」といった具合に、自分自身をブランディングしてプロモーションをすることで、その分野に関連するセミナーや有料コンテンツの作成などで収入を得ることも可能です。
うまくいけば企業や個人からの依頼で一回、数十万円単位の講演依頼などが舞い込むこともあり高収入を見込めます。
4.理学療法士(PT)の年収との向き合い方
一般的に、年収が高くなると幸せな生活が送れるというのは想像に難くないと思います。お金がないと生活も苦しくなるかもしれませんし、自分のやりたいこと叶えたいことの実現が難しくなるかもしれません。
年収が1000万円になると、生活に不自由することはなく、欲しいものも容易に手に入るようになると思います。
しかし、一般的なPTの年収であっても、普通の生活を営むことは難しくないはずです。生活にかかるお金のことについても、就職した時から計画的に運用すれば、PTという資格を持っている限りひどく困窮することはないでしょう。
PTとして年収を上げたいと思った時に、「何の為に」ということをしっかり考えてみてください。年収を上げる様々な方法について紹介してきましたが、目指す年収が高いほど難くなってきますし、そのために割かないといけない時間も増えるかもしれません。
また、仮にその年収を達成できたとしても、維持していくために同じくらいの時間を仕事に割かないといけないかもしれませんし、さらに努力が必要になってくる可能性もあります。そしてその努力は、PTとしてのスキル以外の部分が大きいかもしれません。
収入を意識しすぎるあまり、家族や大切な人たちと過ごす時間や自身の健康を犠牲にしてしまうといった話も良く聞きます。何事もバランスが大切だと思うので、年収と向き合う際には、その目的とそこに対して向けられる自分の時間や熱量についても検討してみてくださいね。
5.まとめ
今回は理学療法士(PT)が年収1000万円を目指す方法について紹介させていただきました。
PTとして年収を上げたい場合、すぐにでも始められる方法もあるので、あなたが目標とする年収があれば、できそうな方法から試してみてください。
ただ、第4章でも触れましたが、年収の増加が必ずしも幸せに繋がるとは限りません。目的や自身の価値観などを含めて収入と向き合うようにしてくださいね。
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【参照】
賃金構造基本統計調査 / 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 表番号1 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)